8. はじめての演習(1)
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は、慌ててゆきおの隣を離れて立ち上がった。なんだか顔が熱い。カッカカッカと熱を帯びているのが分かる。
「な、なんだったら、あたいの艤装、つけてみるか!?」
「へ!?」
今のこの状況をゆきおに知られたくなくて、私はつい思ってもないことを口走ってしまったのだが……これが今度は、ゆきおの心に火をつけてしまったようだ。私の言葉を聞いたその瞬間から、ゆきおの顔がみるみる光り輝いて、しまいには東京タワーの夜景のような、キラキラと眩しい満面の笑顔になった。
「ほんとに!?」
「ホ、ほんとほんと! どうだゆきお!?」
本当の事を言うとそんなつもりはまったくなかったんだけど……
「つけるッ」
甘いモノを前にした時以上のわくわくを全身からにじませ、カーディガンが吹き飛んでいきそうなほどの気合が入った返事をしてくるゆきおに対して、『ごめんウソだよ』とは、どうしても言えなかった……。
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