幻想御掌2 -失敗と勘違い-
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して見てはいる。
だが彼女という者を作った事が無いから勘違いなのか、最近美琴が好意を寄せてるのでは?と感じる点がかなりある。
「確かに、お姉様も最近お兄様への見方が変わってきているとは思いますわ。(毎日、湊に会えるかな〜とかボヤいてますもの。)」
「そ、そうか。」
「お兄様はどうなんですの?」
俺は答え方に迷った。
少し考えてから、黒子に。
「"昔は恋愛の意味で好きだった"。」
そう言った瞬間、美琴がいきなり立ち上がった。
「お、起きたの……か……」
俺は驚きを無理やり隠し通そうとするが、俺の言葉は美琴の表情を見て変わった。
それは黒子もで。
「お姉様……!?」
「……ごめん、帰る。」
「え、ちょっと待った…!」
俺は走って帰ろうとする美琴の腕を掴み、止める。
「帰るって、そんな顔してる奴を帰せるわけ……」
「お願い…離して……」
そんな弱々しい声を聞いてしまったら、離してしまう。
「お兄様、多分ですが……」
「あぁ、聞かれたな…続きがあったんだけど…」
「続きですの?」
俺は頷き、もう一度座り直す。
「分からないんだ。」
「え?」
「さっきも言った通り、昔は確実に恋愛の意味で好きだった。けど、色々あって好きだった子を妹として見なければいけない。向こうは俺を兄だと思っている。
俺はあの子の"兄"として生きるんだって自分の中で割ったからなのか、幼馴染みって関係に戻った今、良く分からないんだ。」
「お兄様…」
「守りたい、そう本当に思ってる。でも、それが兄としてなのか1人の男としてなのか……ね。」
──それに俺に出来ることは兄として守る事だ。
「でも、美琴は好きな奴がいると思う、多分アイツだ。」
そう俺が言うと黒子は驚いた顔をして、反論しようとしてきた。
「お兄様、それは……!」
「遅くなってしまったね。」
だが、黒子の言葉は前から来た女性に消された。
「いえ、まさか貴方が脳外科の先生だとは思いませんでした。」
「あの時はお世話になったね、城崎湊くん。」
「"二つの意味で"ですよ、木原先生。」
俺はこの人と出会うのは3回目だった。
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