幻想御掌2 -失敗と勘違い-
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今、俺達は病院に向かっていた。
何でも風紀委員が独自に調べていった結果、幻想御掌の正体は音楽で俺の考え通り共感覚性によって能力を向上させているかもしれないと判断された。
それに伴って、脳外科の先生である木山先生の協力のもと本当に共感覚性で能力を向上させているのかを調べるため黒子と会うため一緒に向かっていた。
「き、昨日はとんでもない目にあった……」
「アンタがいけないんでしょ!?」
「その説はすみませんでした!」
俺は親友のような華麗な土下座を決め、謝罪する。
美琴は俺の行動に慌てた。
「わ、分かったから土下座は辞めて…!」
こんな流れが続いて黒子と待ち合わせの病院に着いた。
病院内に入り、受付で理由を話して黒子が来るのを待つ。
すると、俺達が来た方向と反対からいきなり現れた。
「お待ちしておりましたわ、お兄様、お姉様。」
「黒子、アンタ病院内を移動する時ぐらい歩きなさいよ…」
「瞬間移動の方が早いんですの、それにお2人にお待ち頂くなんて黒子にとって言語道……」
「あはは…、黒子移動しようか?」
黒子が熱く語る前に美琴が手で口を封じる。
俺は目の前の光景を少しばかり呆れつつも、脳外科の先生と合流する事になった。
「ここで座って待っていればいいみたいですわ。」
「じゃあ、座って待ってましょ。」
この会話から数十分経った。
「………暑いですわね。」
「……黒子、言うともっと暑くなる。」
病院内にいるはずなのに、この暑さ。
クーラーが効いてるはずでは?と思ったのだが、何でも昨日の停電で電気がストップし自家発電を医療に使っているらしく効いていなかった。
「……ん。」
「お姉様、寝てしまわれましたわね。」
「うん、疲れてたんだろうね。」
黒子と俺の間に座る美琴はこの暑さの中、気持ちよさそうに寝ている。
俺は何か飲み物でも買ってこようかと体を動かそうとした時、左側に何かが乗ってきた。
「あら、お姉様大胆なこと。」
「………。」
俺の左肩ら辺に乗ってきた何か、それは美琴の頭だった。
身長が俺の方が高いため肩には乗らないが、腕ぐらいの高さに美琴が寄っかかっている。
「お兄様。」
「…ん?」
黒子はそんな俺と美琴の状況を楽しんでいるような表情を浮かべながら、話しかけてきた。
もちろん、美琴が起きないように小さな声で。
「お姉様の事、今は"妹"として見てますの?」
「………どうだか。」
「何ですの、今の微妙な間は。」
「……俺がというより美琴が変わった…気がする。」
そう、俺は妹と
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