ペルソナ3
1789話
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何らかの意味を持っているだろう単語を知り、そのまま聞き逃す訳にもいかない。
「覚醒? それはどういう意味だ?」
「っ!?」
口の中だけで呟かれた言葉が、俺に聞こえているとは思いもしなかったのだろう。
あからさまにしまった……といった様子を示す荒垣に、俺は重ねるようにして言葉を紡ぐ。
「どうやら、荒垣は俺が知らない事を色々と知ってるようだな。……きちんとその辺、全てを話して貰うぞ? 言っておくが、話さないという選択肢はないから、そのつもりでな」
「……話を聞いた結果、厄介事に巻き込まれてもいいのか」
「生憎と、今の状況で既に俺は厄介事には巻き込まれてるんだよ。それこそ、現在進行形でな。だからこそ、少しでも情報が欲しい」
「厄介事に、巻き込まれている? ……具体的にどんな事にだ」
真剣な視線。
今までも荒垣から俺に向けられていた視線は真剣だったが、その中でも一番強い視線が俺に向けられていた。
この様子だと……もしかして、荒垣もあの現象の事を知ってるのか? ついでに塔についても。
普通であれば、とてもではないが信じられないような話。
だが、色々と人に言っても信じられないような経験をしてきた俺にとっては、それこそ特に違和感のない、そんな話。
「夜の12時になると、妙な現象が起こるってのは……信じられるか? 人が……いや、生き物が棺桶になるっていう」
「……影時間……アルマー、お前はペルソナ使いなのか?」
「……ペルソナ使い? 何だそれ?」
今の荒垣の様子から考えて、影時間ってのは恐らくあの現象の正式な名称だろう。
いや、正式って言っても、別に何が正式なのかは分からないが。
ともあれ、現象とかそういうのだと呼びにくいので、俺もこれからは影時間と呼ぶ事にしよう。
それはいい。それはいいんだが……ペルソナ使い? 使うってことは、恐らく武器とか超能力とか、そんな感じの代物なのだろう。
そして、荒垣の様子から見て、この世界で大きな力を持つ何か。
「何だ、まだペルソナには覚醒してないのか? ……まぁ、そっちの方がいいのかもしれないがな」
「だから、そのペルソナってのは何だよ?」
何故か罪悪感に満ちた表情を浮かべる荒垣に、改めてそう尋ねる。
「本当に知らないのか? 世の中には、知らない方がいい事もあるんだぞ」
「それくらい分かってる。けど、生憎と俺はその知らない方がいい事を知る必要があるんだよ」
まぁ、この世界でレモン達が迎えに来てくれるのをただ待っているだけであれば、それこそ影時間やペルソナ? とかいうのについても知る必要は特にないだろう。
だが……シャドウミラーの代表として、未知の技術を集めるという事を考えれば、この世界には今まで俺が触れた事もないよう
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