ペルソナ3
1789話
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にその違和感があったんだ?」
荒垣が俺に向けてくる視線は、取りあえず話を終わらせようと……そうしているような感じだった。
話に付き合うのが面倒だと、そう思っているのだろう。
無理もないか。普通ならその手の話を聞いても面倒だと思うのが当然だろうし。
「2人だ。2人とも月光館学園の生徒だった」
「……何?」
ピクリ、と。
始めて荒垣の表情が真剣なものに変わる。
……何か心当たりでもあるのか?
ともあれ、こうして真面目に聞くつもりになったというのは、こっちとしてもありがたい。
「続けろ」
そして真面目な表情で話の先を促す荒垣に、俺はアイスウーロン茶を一口飲んでから、口を開く。
「1人は、ボクシング部の……名字しか知らないが、真田って男。もう1人は女で、赤い髪と……そうだな、ゴージャスな美人って感じか」
「っ!?」
2人の特徴を口にした瞬間、荒垣の顔が明らかに何かの衝撃を受けたような感じになり、動きも止まった。
それを見れば、俺にもその2人と荒垣が何らかの関係を持っているのだというのは理解出来る。
「どうやら、その2人……知ってるみたいだな」
「……」
そう告げる俺の言葉に、荒垣は何も言わず無言でじっと俺の顔を見てくる。
男にじっと見つめられてても、嬉しくも何ともないんだけどな。
そんな風に誤魔化す事は出来ないような、そんな視線。
それこそ、真剣という言葉がこれ以上ないくらい似合うような……もし視線に物理的な圧力があれば、俺の顔に穴が空くのではないかと、そんな風にすら思ってしまう。
荒垣が沈黙してから、数分。
やがて、いつまでもこうして沈黙のままでは話が進まないと、俺は口を開く。
「で? 黙ったままだと、話が進まないんだけどな。その2人、心当たりがあるのか?」
「……ある」
やがて沈黙を破るように、荒垣はそう言葉を発した。
俺を見る視線の圧力が、かなり強い。
その2人は、荒垣にとって重要な人物なのだろう。
「それで、お前達3人だけに違和感がある理由について、何か心当たりはあるのか?」
「その前に聞かせろ。……お前が違和感があるって言ってたのは、本当に俺を入れて3人だけか? 他には……いないんだな?」
「今のところは、だけどな」
そもそも、俺がこの世界に来てから、まだ1週間と経っていない。
そうである以上、まだそこまで大勢に会ったという訳でもないのだ。
他に同じような相手がいたとしても、俺が把握していない可能性の方が高い。
「……そうか。となると、アルマーも目覚め始めてるのか?」
小さく口の中だけで呟くその言葉は、当然ながら俺にも聞こえていた。
そして『覚醒』という、あからさまにこの世界で
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