第5話 獅子ごっこ
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めたと言うのは勿論予想外のアクションだが、それ以上が悉く学園中に散りばめられたレオの気配の残滓を発する囮だ。
レオが事前に仕掛けた囮によってまんまと引っかかり続けたのと、本人の気配の消し方が完璧であり優雅だったのも大きかった。
実際気配の消し方だけを見れば、実の弟子である揚羽よりも上だと言うのがヒュームの感想だ。
しかしそれも終わり。
だが追い詰められている筈のレオは笑顔を絶やさない。
「いえいえ、まだまだ粘りますよ?」
「この状況で何、をッ!?」
なんと今度は自分から屋上から飛び降りたレオ。
その様な事態、流石に決闘などと言ってる場合では無い。
例えどれだけお互いに了承した決闘であろうとも、九鬼財閥の重鎮の1人である自分が追い詰めた結果として西欧財閥次期当主を大怪我させたとなれば、どれ程追い込まれるか計り知れない。
そんな現実を顕現阻止するために急ぐヒュームだが、一瞬驚いてしまったために間に合うかはギリギリだった。
だがしかし、
「・・・・・・ククク、何所までも愉快な方、だッ!!」
下を覗き込んだ瞬間、宙でリザに受け止められたレオの姿があった。
如何やら最初にリザが下へ向けて降りていたのは、この為でもあったらしい。
これに即座に下に降りレオ達を追う。
途中でリザだけを見つけて、これ以上介入させない様に気でコーティングした針で傷を負わせない前提で壁に縫い付ける。
それを済ませた後、直感に従って屋上に来てみれば案の定レオがいた。
ちなみにあと――――。
「今度こそチェックですよ?レオ君♪」
「それは如何でしょう?」
「強がりは君の質を落とすだけですぞ?リザ・ブリンカー及び衛宮士郎も、あのシーマなる者もこの周辺にはいません。ですからどうぞ大人しく」
「たまには子供らしく燥ぐのもいいと思いますよ?」
「・・・・・・・・・・・・」
そうしてレオはまた屋上から身投げをした。
どんな勝算があるかは知らないが、ヒュームは備えとして一瞬でレオが落ちて来るだろう下に到着する――――が。
「なっ!?」
なんとレオは壁を蹴って、五メートルは離れているであろう別の教練塔の三階の開いている窓の上の縁を掴んで、そのまま見事窓を潜りその別の教練塔内に入ったのである。
完全に行き届いた調査内容では無いが、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイは少なくとも壁越えや準壁越えでもない。精々マルギッテやリザよりも少し下がるくらいの運動神経と戦闘力クラスだ。だがそれでも年齢の一四歳を考えれば十分過ぎる位だ。
しかしだからこそヒュームと勝負しても適う筈が無いと言う当初の予想を面白いくらいには裏切った形である。
事実、先程から驚かされてばかりで段々楽しくなっ
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