第5話 獅子ごっこ
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−Interlude−
「――――と言う事で、改めまして先輩の皆さん。僕の事は如何かレオと気軽にお呼び下さい」
ヒュームからの逃亡の最中である筈のレオは何故か、暢気に2−Sに遊びに来ていた。
だが一見箱入り息子の様なお坊ちゃまに似つかわしくない隙の少なさや立ち振る舞い、それに大勢の人々の上に立つことが約束された様なカリスマ的なオーラに、多くの2−S生徒達は圧倒されている。
自分達よりも年下だと頭で理解できても、心の部分で既に一歩も二歩も引いていた。
しかし中には声を掛ける者もいる。
「初めましてレオナルド君」
「はい、初めまして。冬馬さん、ユキさん、準さん」
「アレ?ボク達の事知ってるの?」
「当然士郎さんから事前に聞いてたんだろうさ?」
「はい。それに準さんが小さい女の子が好きな事はシーマさんから聞いています」
「うむ。すまぬ、教えた」
レオの説明に自分へ顔を向けてきた準に対して、あっけらかんというシーマ。
理由としては、
「事前に説明しておけば、ジュンが性犯罪の一線を越えそうになりそうな現場を見た時、協力してくれると思ってな」
実に理に適った考えだが、本人は納得できずにいる。
「それじゃあ俺が、まるで犯罪者予備軍みたいじゃねぇか!」
叫ぶ――――が、
シ―――――――――ン・・・。
誰も言い返す事は無いが否定もしない。
「え・・・、何この空気?」
「だからみんなの気持ちは一つなのだー」
「私もユキも準が捕まらないかと心配してるんですよ?割と本気で」
そのやり取りにちょっと和んだレオだが、相変わらず誰も近寄って来ない事に首を傾げる。
「警戒しなくてもいいと言ったのですが・・・」
「それは無理であろう。お前のオーラに当てられた後ではな」
「おや、英雄さん。いえ、此処では九鬼先輩とお呼びした方がいいですか?」
「好きに呼んで構わぬ。代わりに我も今まで通り、呼び捨てにさせてもらおう」
そこへ、あずみを連れて教室に戻って来た英雄が近づいて来た。
「はい、勿論構いません。そう言えば久しぶりですよね?あずみさんも」
「は、はい!」
レオに声を掛けられたあずみは、らしくなく緊張しながら返事をした。
カリスマ性を持った人間とのやり取りは九鬼財閥で慣れているモノも、レオのオーラは九鬼家財閥の重鎮達とはまた違った凄味があって、それに慣れていないので緊張しているのだ。
そう、軽く挨拶してから別の方へ向くレオ。
「それであの御2人が?」
「うむ、弁慶と義経だ」
「――――初めまして御2人共、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイです。先ほども言った様に如何か気軽にレオとお
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