第5話 獅子ごっこ
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イカレテいるにも程がある。
しかし何かしらの策が有るのか、提案したレオの笑顔は何時までも陰りを見せる事は無い。
だが興味心が先行するヒュームはそれを了承しようと紋白に伺いたてる。
「紋様、如何します?」
「我はそれでも構わぬが、本当に良いのか?」
「男に二言はありませんよ。では了承してもらえるんですね?」
「ええ」
両者の意思表示が済んだところで、ルーが最終確認をする。
「では確認するよ」
レオをヒュームが拘束すれば紋白側の勝利。
レオが捕まらずに三分間逃げきれば、要求通り勝負を引き分けとして認められる。
そして勝敗を満たすために、西欧財閥の威光以外でレオは何を使用してもいい。
「では、始め!」
「!」
決闘開始の合図直後、あらゆる方向から紋白に向かって椅子が投げられる。
投げたのは全員レオに負けた1−S生徒諸君だ。
「ッ!」
目の前に居るレオを拘束すればヒュームの勝となるが、しかしそれをした後では僅かに椅子の雨から紋白を守り切れないと判断したヒュームは、即座に紋白の壁となって全ての椅子を掴みとる。
「すまぬヒューム」
「いえ。ですがクク、随分と過激な開戦でしたな」
不敵に嗤う殺戮執事。
そして当の画策した本人は、護衛のリザ共々既にこの教室から逃亡していた。
「では少々失礼します。しっかりと紋様を護衛しろよステイシー」
「うむ!」
「へい」
何時の間にか来ていたステイシーに命令したヒュームは、凶悪な笑みを浮かべながら“鬼”としてレオを捕えるべく廊下に出る。
「・・・・・・・・・・・・」
レオの気配を追う為に一度立ち止まる。
神経を研ぎ澄まして周囲の気配探知を行う。
そこで中々上手く気配を殺しながら下へ下へと降りている気配を察知する。
それにその気配を詳細に探ると、自分の気配で覆い隠している別の気配も感じた。
(悪くない気配の消し方だが、中途半端の上、他者の気配を自分の気配で覆い隠して愚かな結果となっている。矢張りあのリザもまだまだ赤子よ)
何時もの様に未熟者と見下しながら、当の本人たるリザの下に一瞬で駆け寄る。
「お遊戯はその辺でいいですか?レオくッ!?」
だが本人の目の前に来たらいたのはリザのみ。
その代わり彼女の両腕の中にはレオの赤い半そでの上着を抱きしめる様に所持していた。
「引っかかりましたね?ヒューム卿」
「・・・・・・チッ」
つまりヒュームが感じ取ったのはレオの気配の残滓。
まんまと引っかかったのを素直に認めるヒュームは、これ以上の問答は無用とさらに気配探知の領域を広げながらその場を去った。
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