0129話『E2攻略と帰っていく魂』
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思っている。当時、サブ島沖海域であまりにも攻略が捗らなくて焦っていた私はもっともやってはいけない手段であるデコイという役目を君に背負わせてしまった……。
それで結局は君を無駄死にさせてしまって本当にすまなかった……」
それで提督は一番後悔があるのだろう。
少し涙を浮かべていた。
私も覚えています。当時、提督は本当に何度も大破撤退を繰り返していて資材も残りわずかという所まで追い込まれていて焦っていたのを思い出します。
それで綾波さんに役目を背負わせてしまった事も……。
それで私は綾波さんに話を聞きました。
《代弁しますね。
『司令官……そこまで後悔しているのでしたらもう、綾波のような悲劇は起こさないでくださいね? そんな事態になるのは綾波だけで十分ですから……。
それでも今はもう立派な司令官の姿を見ることが出来て、綾波も嬉しいです。これからも頑張ってくださいね』
綾波さんからは以上です》
これでみなさんの代弁は終わりました。
と、その時でした。
霧島から通信が入って来まして、
『司令。重巡ネ級の撃破に成功しました。これにてE2海域の攻略を完了です』
「よくやってくれた。すみやかに帰投してくれ」
『了解です』
それで霧島との通信は終わりました。
そして時間もそろそろ夜です。
見れば木曾さん達の身体が私の目で見てもどんどん透けていくのが分かります。
《提督……どうやらタイムリミットのようです……。木曾さん達は帰ってしまうみたいです》
「そうか。もう、そんな時間か……最後にみんなに伝えたい。君達のような悲劇を起こさないように私もこれからも頑張っていくから見ていてくれ。そしてまた来年も会おう……」
提督がそう伝えると皆さんは満足そうに無言で頷いてくれました。
そして次の瞬間にはもう皆さんの姿は消えていました。
《提督……》
「わかっている。もういなくなってしまったのだろう……? 悲しいけど彼女達はもうあちらの住人なんだから無理に騒ぎだてない方がいい。私も、伝えたいことは伝えられたからよかった……。また、来年に会おうな」
《はい。長いですけどまた会えるのを信じています》
それで私と提督は来年に向けて思いを馳せていました。
その後に提督は鎮守府内に彼女達のお墓を立てると言っていました。
それがとても嬉しかったのでよかったです。
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