偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
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ぃ!!」
アバンギャルド号に向かって、体当たりをかましてくるテロチルス。その衝撃に耐えながら、船員たちに向けてギルやグルが頭上に銃をぶっ放しながら怒鳴って激励する。
「総員、反撃しろ!!ありったけの弾ぁ切れるまで、撃ちまくれ!!」
「アイアイサー!!」
ガル船長の反撃命令にクルーたちは応え、大砲の弾や、魔法が使える元貴族のメイジクルーたちは得意の魔法で反撃に出た。
「ったく、相手がレコンキスタの軍人だったら、慌てふためく反応を楽しめたものを…怪獣相手だと反応がわからん」
見たところ、今回レコンキスタ側は人を用いてきていない。怪獣たちしかこの場に投入していなかった。年甲斐もなく少々の悪戯心を抱きながら、ガル船長は悪態をつくのだった。
ジュリオを乗せているリトラが、ジュリオに呼びかけるように、彼の方に視線を向けてピィピィ、と鳴いてきた。
「どうしたんだ?」
リトラが何かを訴えていることに気づいたジュリオがリトラに尋ね返す。ふと、リトラの視線の先に何かが映っているのをジュリオは見た。
見えたのは、竜騎士を放ったトリステインの小型艦だった。彼らもこの作戦において、サイトたちはアルビオンへ侵入させるための囮役を引き受けていた。だが、様子がおかしい。
先ほどから、乗っていた竜騎士たちを放つだけで、艦自体は攻撃を仕掛けていない。それどころか…信じがたい行為に出ているように見えた。
「一体どういうことなんだ!?どうしてあの艦はここから離れていくんだ!?」
「…ッ!」
ホーク3号の離陸を見届けてすぐ、シュウとムサシはその光景を見ていた。すでに二人は、エボルトラスターとコスモプラック、それぞれの変身アイテムを準備している。ムサシとシュウもアバンギャルド号の甲板から、並列しているはずのトリステイン小型艦が離れていくのを目にした。
「…っち、奴らめ。ロマリアの坊主が騎士の真似事か、なんて言っておきながら…」
ジュリオも、あの艦を見て何かに気づいたらしく、女性を見ただけで落とせそうないつもの気障で優しげな表情から一転して、露骨に舌打ちした。
「平賀君!竜騎士の人たちが!!」
アルビオン大陸へまっすぐ向かうホーク3号からそれを見つけたハルナが声を上げる。ちょうど窓から、アバンギャルド号と、トリステイン小型艦から放たれた竜騎士たち、そしてジュリオの乗るリトラのみに、怪獣たちが集中し始めている。そしてジュリオと同じように、彼らもトリステインの艦が作戦区域から次第に離れ、自分たちだけ雲の中に隠れ始めたのだ。
「どういうことだ!?トリステイン軍は空賊の皆と一緒に注意を引き付ける役だったはずじゃ…」
本当なら、トリステイン軍と空賊たちの乗るアバンギャルド号に怪獣たちやレコンキスタが気をそらしている間に、自分たちは一気にアルビオンへ突入するという
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