暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
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上げ続けた。あそこにアスカがいる。なんとしても助けたいという思いを強めていた。
(怪獣たちも…皆待っててくれ。黒崎君のこともだが、君たちを今度こそ救って見せる)
ムサシも今回同行を願い出たのは、同じウルトラマンでありながら精神的に不安定になりつつあるシュウを無視できなかっただけじゃない。ヤマワラワがそうだったように、惑星ジュランで共に暮らしていた怪獣たちを、現在の保有者であるレコンキスタの手から取り戻すためでもあった。
サイトは横目でシュウを見る。彼は自分たちに目をくれている様子はない。アスカというもう一人のウルトラマンの男を助けることに頭が集中しつつあるようだ。
自分が何度か、同じウルトラマンである彼に命を救われたことがあり、しかもほぼ的確な判断力と鎧を解いたゼロにも引けを取らない戦闘力。正直、心のどこかで尊敬と憧れを抱き、頼りに思っていたが、今回彼とテファの間に起きた溝を知って今までとまた違った認識を持った。それゆえに周りが見えなくなって、何かしら無茶な行動に出ることが予想された。もしそうなったらテファたちに申し訳が立たなくなる。そうなる前に…
(何とかこいつをフォローしないとな)
『そう思うのは当然だけど、サイト。ひとつ忘れてないか。ここには、俺たちの正体を知らないままのルイズとヘンリーがいるんだぜ』
場合によっては、変身することも考えたサイトにゼロが声をかけてきた。
『ムサシやシュウ、それにハルナと違って俺たちには光の国で決められたルールもある。もし、ルイズに正体を知られたら…俺たちがこの星でいられるのが難しくなるぞ』
一度追放された身とはいえ、…いや、だからこそかもしれない。宇宙警備隊で取り決められた規則のことをゼロは気にした。シュウやムサシは同じウルトラマン、ハルナは闇の巨人から一転して光の戦士に覚醒した身だからまだ譲歩が利くが、ルイズやほかの面々はそうは行かない。
『でも、よくよく考えたら結構今更じゃないか?別にルイズたちが、ヒルカワみたいに平気で言いふらすキャラってわけでもないのに』
サイトの言うことも一理あった。ルイズは仲間を売るような女じゃない。彼女の貴族の、人間としての誇りがそれを許さないから、たとえ自分の正体を知らせても隠してくれそうな気がする。アンリエッタもシュウの例があるから同じようにしてくれるはずだ。
だがゼロは首を横に振るかのように話を続ける。
『確かにそうだが、知られたら知られたで厄介なことも考えられるだろ。ルイズたちが、俺たちの力に一層依存するかもしれない。そういう奴じゃないとは思うけどよ、可能性は0じゃない。うっかり喋ったりされたりして、シュウティファニアみたいに、俺たちも追われる身になったりするかもしれない。それに、そのケースは俺たちもすでに縁があっただろ』
『…リッシュモンのことか』

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