偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
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その方がテファもフーケも安全だろ?」
サイトもムサシの意見に強く同意を示した。それでも、シュウは同意の姿勢を見せようとしなかった。
「…それは、できない」
「なんでだよ!?そうやって遠ざけて、結局あの子がレコンキスタの連中に捕まっても同じことじゃないか!?」
ここまで言っても、頑なに拒絶の姿勢を見せるシュウ。借りを返したい、一緒に戦う仲間を救いたい。そんな善意を受け入れようとしない彼に、次第にサイトは苛立ちを募らせ始めた。もう話を終わりにするつもりか離れようとしたシュウを、サイトは肩を掴んで引き留めた。
「コルベール先生からも聞いてるぞ。あんた、学院を襲ったメフィストと戦った後、先生を斬ろうとしたアニエスさんを止めたんだろ?そしてあの人に色々言ったんだろ?なんでだ?」
「…俺は、起こるかもしれなかった悲劇を防ぎたかっただけだ」
「そうやって悲劇を未然に防ごうとしたあんたが、テファを悲しませるようなことしてどうすんだよ?」
ゼロに変身したときのような、鋭い視線を持ってサイトはシュウを見る。
「…俺だって悲しませたいわけじゃない。だが、俺が傍にいたら…」
「その理屈が意味不明なんだよ!」
ついにイライラが頂点に達して、サイトはシュウの胸ぐらを掴んだ。
「だいたい一緒にいたら不幸になる?かっこつけてんじゃねぇよ!てめえはゲームに出てくる中二病キャラか!!?世界中の不幸を背負ったような顔してんじゃねぇよ!お前みたいに不運な奴なんて、この世界にはごまんといるんだよ!!そいつらもあんたと同じように…!!」
『サイト、落ち着け!気持ちはわかるが、攻撃的になるな!』
「平賀君どうしたの!?」
「ちょっとサイト!何の騒ぎよ!こんなところで大声出さないでくれる!?」
拒絶されるにされ続けたことへの苛立ちのあまり、サイトは自分でも何を言っているのか思い出せなくなるくらいの罵声をシュウに浴びせていた。興奮するあまり、かなり大声で喚いているサイトに、周囲の皆からの注目を集めてしまう。当然ながら、ルイズやハルナも彼らの口論を聞きつけてきた。
「ゼロの言うとおりだ。サイト君、まずは手を離してあげて」
ゼロの脳内の言葉に続き、諭すように耳元でムサシが言ってきたことで、ようやくサイトは落ち着きを取り戻す。
「それで…場をわきまえずに何を喧嘩してたわけ?」
「ごめん、ルイズ…熱くなりすぎた」
ルイズは、自分の使い魔であるサイトが大声を上げたことで周囲から奇異の目で見られたことに、すっかり目くじらを立てていた。
「でも、いったいどうしたの?平賀君があんなに怒るなんて珍しいよ」
「それは…」
当然ながら飛んできたルイズと、心配そうに見つめてくるハルナの二人の問い詰め。サイトが何と答えようか考えだすと、周囲が白い雲に覆われ始めた。アルビオンの周
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