偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
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って。マジで寂しくなる」
デルフが軽口を叩いて来て、サイトはそんな風に言い返す。もっとも、ジュリオと一緒にいたら名にむかついてきそうなので、こっちの方がマシかもしれない。
そう言えば、シュウとムサシはどこにいるのだろう。暇だし、探してみるか。二人の邪魔をしないように、サイトはそっと離れた。
シュウは、アバンギャルド号に乗せられているホーク3号の最終整備をしていた。
今は、タルブ戦役の際に被弾したウィングに、飛行の際に障害となる箇所が残ってないか確認している。
「黒崎君って機械に詳しいんだ」
傍らで興味深そうにムサシが話しかける。
「…ああ。少しは心得ている」
本来地球の遺産であるこの機体はハルケギニアで修理するのは難しいが、コルベールや地下水に頼んで工具を作ってもらったのだ。地下水が「何でこんな地味な役目を…」などとぼやいてきたが無視した。素材さえあれば時間をかけずに器具を作ることができる魔法に、シュウは利便性を感じながら、ホーク3号の点検を続ける。
ムサシ自身も機械には深く精通している。子供の頃、自我を持つロボット『グレバーゴン』(通称ゴン)を開発した上に、EYESに所属していたときも作戦成功のためのシステムを幾つも作り上げたこともある。
「謙遜なんてしなくていいよ。同じ地球といっても、異次元を挟んだ別世界の機械を修復できるなんて相当の腕前だよ。ドイガキさんにも紹介したいくらいだ」
「…あんたの知り合いか?」
「うん、TEAM EYESの頃、よくあの人の制作した発明品で怪獣たちを保護することができたり、強敵を打ち破ることができたことも多々あったからね」
「ふぅん…」
そのドイガキという人物に、機械工学を志した身として少なからず興味を持ったシュウだが、今の自分のやるべきことと関係ないので、適当に生返事を返した。
「なぁ、そこの」
ふと、ムサシは通りがかってきた少年貴族に声をかけられた。他にも彼の友人なのか、数人ほど武装した少年たちが集まっている。
「これは生き物なのか?」
「あ〜いや、これは空を飛ぶための鉄製の乗り物だ」
ウルトラホーク、何て名前を出されてもわからないだろうと思い、ムサシはそのように説明すると、突然少年たちは喚きだした。
「あああぁ!そうだったのか〜!」
「っしゃあああ!ほら見ろ!僕の言った通りだ!」
「1エキューだからな!約束だぜ?」
「え、えっと…」
一体彼らは何をやりたかったのか読み取れなかったムサシが困惑していると、耳障りだったのか顔をしかめたシュウが少年たちに一睨みする。
「…うるさい。作業中だ」
「あはは。いやいや、驚かせてごめん、ちょっとつまらない賭けで盛り上がったんだ。皆はこれが竜みたいな生き物じゃないかって思ってたけど」
少年貴族の一人が苦笑いしながらシュウに
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