偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
[15/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
これだけの激しすぎるアクロバティックな操縦に、一緒に乗っていたルイズとヘンリーは気分を悪くし始めた。
「うぅ…!!」
「っく…」
「ルイズ、ほらしっかりしな!背中くらいさすってやるから!ったく、エチケット袋なんかないってのに…」
酔いの症状は、ヘンリーは元は竜騎士だったこともあってかルイズ程じゃなかった。
人格が入れ替わって表に出たアキナがルイズの背をさする。
「虚無の詠唱どころじゃねぇな。あれは精神力意外にも、かなり高い集中力を必要ともしているからな」
デルフがため息混じりに呟く。最も、そんなことよりも怪獣のことを気に留めなければならない。
「情けないわ…こんな状況で酔うなんて…」
「くっそ、この状況じゃ…」
バードンたちの攻撃を避けつつも、サイトは一度変身を考えた。しかし、ここにはルイズとヘンリーがいる。ハルナ=アキナはともかく、彼女たちの前での変身は難しかった。それを察してか、アキナがサイトの耳元に近づいて囁きだす。
「ここはあたしがやってみるよ」
「え!?でもお前…」
アキナは確かに、ウェザリーの魔法の呪縛から解放され、光の巨人に覚醒して共にファウスト・ツヴァイを撃破した。しかしあの時の変身はまさに奇跡そのものだった。またそれを起こせるかどうかとなると話が違う。
「何もしないよりマシだろ…あんたはそのまま操縦に専念!」
『サイト、ここは彼女の試みを信じるしかない。それがだめなら、あとはシュウとムサシの方に希望を託そうぜ!』
「でも…!」
「相棒、来たぞ!2時の方向だ!」
またハルナに、しかもこんなできるかの各章もないことを託さなければならないのか。躊躇いを覚えていると、デルフが耳元で叫ぶ。鼓膜に堪えそうな小枝が、すぐに高度を上げて突進してきたバードンを避けた。危なかった。下手をしたら、バードンの別固体によって命の危機にさらされた、かつてのゾフィーやウルトラマンタロウのようになっていたかもしれない。
それにしても、この怪獣たち、やたらねちっこくこちらを攻めてくる。攻撃の手に転じるタイミングを計るのが難しい。確かにバードンもベムスターも強力な怪獣だが、ここまで知能の高い怪獣だったのだろうか。
『ん、なんだ…?』
ふと、サイトは目を光らせながら、一緒通り過ぎたベムスターの目を見る。旋回したベムスター、そしてバードンの姿に、異変が起きていた。そしてそれは、シュウとムサシたちのいるアバンギャルド号を襲っていたテロチルスとペドレオンにも現れていた。
怪獣たちはそれぞれ悲鳴を上げて実を震えさせる。白い光のようなものが体内から溢れ出し、その身を包んでは姿を無理やり変化させていく。
「なんだ、あれは…!?」
シュウは、これまでナイトレイダーとして何度も交戦したペドレオンだけでなく、他の怪獣たちにも起きた変化に目を細める。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ