暁 〜小説投稿サイト〜
俺の涼風 ぼくと涼風
7. 二人で一人(2)
[9/9]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
しいまなざしで、私のことをジッと見つめてくれていた。

「落ち込んでたのは、解決した?」
「うん! ゆきおのおかげだ!!」
「そっか。よかった」

 そう言って、ゆきおは安心したような笑顔を浮かべた。私が大好きな、見ている私の心をホッとさせる、とても柔らかくて優しい、ゆきおの笑顔。

「おーいていとくー。涼風が……おおっ!?」
「あれ……ドアが……?」

 タイミングがいいのかどうかはよくわからないが、摩耶姉ちゃんと榛名姉ちゃんが執務室に来たようだ。私の後ろに位置する執務室の入り口から、二人の声が聞こえてきた。摩耶姉ちゃんは私とゆきおの姿を見てだろうか、口角を上げた人特有のニヤニヤした声で、驚きの声をあげていた。

「あの……涼風、ドア……壊れたんだけど……」

 一方で、すぐそばで私とゆきおを見ていた提督も声を上げた。提督は私とゆきおの邪魔にならないようになのか……それともただ単に呆気にとられているからか、小さな声で控えめに、申し訳無さそうに、ドアが壊れてしまったことを伝えてきた。

 でも、私は今、そんなことはどうでもよかった。ゆきおが、私を助けてくれた。私をずっと苦しめていた呪いを、ゆきおが洗い落としてくれた。その事実だけで満足だった。

「ゆきお!」
「ん?」
「本当にありがと!!」
「あのー……ドア、壊れてるんですけど……涼風さん……」


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ