第62話『看病』
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? 今日は母さん達、帰りは遅いんでしょ?」
「わ、ズルい。ボクも一緒に入りたい!」
「よく恥ずかしげも無く言えるよな。もちろん断るけど」
「「えぇー」」
二人には、もう少し相手のことを考えて欲しいというものだ。もう「一緒にお風呂」とかいう歳では無いのだから。というか、男女で風呂は普通に色々マズい。
「じゃあさじゃあさ、一緒に寝るのはダメ?」
「答えは変わらないよ」
「ケチだなぁ、お兄ちゃんは」
「もうツッコまないからな」
この流れは、もはや三浦家の定番と化している。だから、その対処法も既に作っていた。即ち、『徹底的に拒否すること』だ。少しでも気を緩めば、その瞬間ペースを奪われてしまう。
「話を戻すぞ。俺は後で入るから、二人は先に入ってね」
「そうやって後から入ってくるんでしょ? お兄ちゃん大胆ー!」
「一緒にするな」
あの時は罠に引っ掛かったが、今回は大丈夫。さすがに二度風呂をされると厄介だけど、風呂に入らないのはダメだからそこは妥協、というか天に任せる。
「もういいよ、チノ、一緒に入ろ?」
「うん。お兄ちゃんのバカ」
「俺が何かしたか…?」
そう洩らす晴登を無視して、二人はさっさと風呂へと向かう。
結局、晴登の入浴中に二人が乱入してくることは無かった。
*
「少し冷たくし過ぎたか? でも、アレくらい言わないと成長しないだろうし・・・」
時刻は21時。自室のベッドの上で、晴登は葛藤していた。内容はもちろん、二人のことである。言い方が強かったのは自覚しているから、二人が不機嫌になるのも仕方ない。
「どうしたら良いんだろ……」
横になり、今後について考えを巡らす。嫌われたい訳ではないが、思いつくのは突き放すことばかり。それでは誰も喜ばない。二人とは仲良くしていたいし、成長もして欲しい。だったら、もっと良い案があるはずなのだ。
頭を抱えて考え込む晴登だったが、10分過ぎた頃には、いつの間にか深い眠りについてしまっていた。
そんな晴登の部屋の前に、二つの影があった。妹の智乃と、全快したため智乃の部屋で寝ることになっていた結月だ。
「寝たかな?」コソッ
「寝たんじゃない?」コソッ
怪しげな会話をしながら、そっと智乃が部屋のドアを開ける。するとすぐに、ベッドで寝ている晴登を見つけた。
「意識無い間なら、さすがのお兄ちゃんも抵抗しないよね」
「こういうこと何て言うんだっけ。えっと・・・夜b──」
「いいから早くするよ。起きられると面倒だし」
二人は早速、晴登の布団に潜り込む。晴登の部屋に来
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