第62話『看病』
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っと、そろそろ昼食の時間だな。またお粥作るか」
時計を見て、晴登は伸びをする。テスト前でもないからあまり気乗りしない勉強だが、学校を休んでると思うとやらざるを得ない。
「その前に、まずは結月の様子を確認するか」
晴登は今まで勉強をしていた智乃の部屋を出て、自室へと向かう。結月が居る手前、ノックはしなければならないだろう。
「結月、そろそろ昼食にしようと思うけど良い?」コンコン
・・・応答はない。寝ているのだろうか。
だったら、少し様子を確認して・・・
「結月、入るよ──って、あれ…?」ガチャ
その時、晴登の思考は一瞬停止する。なんと結月が寝ているはずのベッドが、布団も捲れ上がって、もぬけの殻になっているのだ。
「え、え、え?!」
晴登は驚き慌てて、結月の行方を探す。とりあえず、部屋には居なかった。
「一階か…!」
「部屋から出るな」とは言っていないから、居てもおかしくはない。もしかしたら、喉でも乾いたのかもしれない。今度は水を用意しておかなければ。
「・・・おいおい」
しかし、一階に来ても結月の気配は感じない。
まさか外に…?
…いや、まだ体調は万全ではないから有り得ない。
「ハッ、トイレか!」
晴登はその答えを導いて一安心。そうだ、それなら見つからないのは仕方ない。さすがにノックは失礼だろうから、外から呼びかけるとしよう。
「結月、そろそろ昼食にするよ」
・・・・・・・・・・。
「居ないだとっ……!?」
結月が返事をしないとは到底思えない。即ち、結月はトイレに居ないのだ。
晴登は再び慌てて、家の中を虱潰しに捜す。
「和室、物置・・・居ない!」
晴登は次なるドアに向けて進撃する。そして、何の躊躇いも無しに目の前のドアを開けた。
「「あ……」」
そこでようやく、晴登は結月の姿を捉えた。具体的には、バスタオルを身体に巻き、濡れた銀髪をタオルで拭いている結月だ。
「あ、ここ脱衣所か──」
「わあぁぁぁ!」ドゴッ
「がっ!?」
状況を理解すると同時に拳サイズの氷塊を顔面に喰らった晴登は、意識を失ったのであった。
*
「ん、んん…」
「あ、ハルト、起きた?! ごめん、驚いちゃって・・・」
「あ、いや、俺が全面的に悪かった。ノックもせずに」
「ううん、心の準備ができてなかったボクも悪かったよ」
「さすがに準備してたら怖いよ」
目覚めて早々、結月の顔を目の前で視認した。バスタオルではなく、しっかりと自分の服を着てい
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