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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第62話『看病』
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夜が明けた。

晴登は一階のソファで目を覚ます。
というのも、風邪の伝染を極力避けるため、結月を晴登の部屋で寝かせたからだ。尤も、晴登自身は結月の看病役なので、あまり意味が無い。しかし智乃と一緒には寝かせられないので、これで良いのだ。


「さて、何をしようか」


どこぞのゲームの待機画面でありそうな台詞を吐いて、晴登は考える。結月の看病の仕方だったり、薬の調達だったり、やることは多い。
でも、まず優先すべきことは・・・


「腹が減っては戦はできぬ。朝食は母さんに任せるとして、結月用にお(かゆ)を用意しとこう」


思い立ったら即行動。晴登はすぐさまキッチンに向かい、まだ完全に開いていない目を擦りながら、調理を開始した。
栄養をたくさん摂って、ウイルスに打ち勝たなければならない。

・・・あれ、そういや結月の風邪ってどういう原理なんだろう。鬼化で副作用で体温が上がったとか、身体の免疫力が低下してウイルスに侵されたとか……ダメだ、考えるだけ無駄な気がする。


「さて、お粥ってどう作るっけ。お米煮とけば良かったかな」


気分改め、調理再開。ちなみにお粥を作った経験はあまりないので、若干創作料理になるかもしれない。けど、不味くなければきっと何とかなると信じる。


「卵入れるとかどっかで聞いた気が・・・ま、入れるか。卵かけご飯美味しいしな。とすると、醤油とか要るかな…?」


晴登は頭を捻らせながら、何とか美味しくしようと奮闘する。風邪の時でも食べたくなるような、食欲をそそるやつにしないと。


「・・・ま、こんな感じか」


"ザ・お粥"が出来上がった所で、朝食より一足先に結月の元へと運ぶ。零れないように慎重に階段を上り、変な感じだが自室のドアをノックした。


「結月、起きてる? 少し早いけど朝食にしよう」


──返事はない。さすがに寝ているのだろうか。晴登はドアを開け、中に入る。良からぬ展開を一瞬危惧したが、結月はベッドですやすやと寝ていたので一安心。


「結月」ユサユサ


晴登は結月を揺すって起こそうとするも、中々起きない。
顔色を見る限り、まだ風邪が完全に回復していないようだから、すぐには起きられないのかもしれない。


「早く起きないと──イタズラするよ?」

「いつでも歓迎だよ!・・・って、ゴホッ」

「ちょ、無理するな!?」


試しに言ってみただけでこの展開。テンプレの力は凄いのだと、改めて思い知らされた。

ちなみに咳こそしたものの、起き上がることはできるようだ。


「しまった、黙っておけば良かった……」

「どうしてそうなる・・・ってまぁ、話せるなら良かった」

「心配してくれたんだね
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