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駄目親父としっかり娘の珍道中
第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その1
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、どうにもならなかったね。今の気分はどぅ?」

 質問をされたが隊長に答える余裕などない。それを認識して質問を投げ掛けて来たのだとしたら意地悪にも程がある。
 無論、隊長にその質問の返答をする気力など無いに等しかった。ただ茫然と目の前に起こった惨劇を目の当たりにしながら口をパクパクし続けている。
 そんな光景を見て初めは面白半分にそのまま放置しようと思ったが、時間の無駄だと判断し、正気を取り戻させる為にまずは男の右足に向かい思い切り自分の右足を振り下ろした。
 グシャリッ!! 肉を潰したかの様な音と共に男の足は潰れ、体から離れた。
 その直後、放心状態だった隊長の目の色が戻り、同時に激痛が体中を駆け巡りだし、奇声を挙げながら転げまわりだした。

「質問に答えてくれない? 私はあんたの盆踊りなんかに興味ないんだけど」

 痛みに転げまわる光景を盆踊りと蔑み、まるでゴミでも見るかのような視線を向けて来た。
 まるで、何時でも殺せるのを敢えてわざわざ生かしてあげてると言った具合だ。

「く・・・狂ってる! 貴様・・・本当に人間なのか? 人間の子供が・・・なぜ、こんな狂気じみた事を平然と出来る!! この・・・悪魔が!!」

 痛みを堪え、涙目になりながらも男は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。そんな男の顎になのはの手が差し向けられる。
 ギリギリと音を立てて潰れるか潰れないかの瀬戸際の力で男の顎を掴み上げた。

「狂ってる? 悪魔? 自分の事を棚に上げて良く言うね。最初にやったのはあんた達の方でしょ? 私は寧ろ被害者だよ。あんた達のせいで、私は大事な家族を亡くしたんだよ。その責任をどう取るつもりなの?」
「ふが・・・ふがもがふが!!」

 弁解しようとしているようだが、顎を掴まれている為に思うように喋れない。
 突如、鈍い音と共に男の顎が砕かれた。もうこいつから聞く事なんて何一つない。それに、もうこいつに用もない―――

「最期に何か言い残す事はある? ないならそのままバイバイするけど」
(この・・・クソガキ!!)

 男は咄嗟に腰のポーチに手を伸ばす。そして、中に閉まっていた物を手に取り、なのはに向けてそれを突き出した。
 肉の裂ける音と共に男の持っていた小振りのナイフがなのはの右胸に突き刺さる。
 刺さった箇所から鮮血が拭き出し、辺りに飛び散っていく。

(や、やった! 確実に心の像に刺さった! これで、この悪魔もお陀仏に―――)
「お陀仏になる・・・そう思ってるでしょ?」
「!!!!!」

 男の予想とは裏腹に、ナイフを刺されたと言うのになのはの表情に変化はない。嫌、寧ろ先ほどより輪を掛けて凶悪な笑みを浮かべだした。
 その刹那、ナイフを突き刺した男の手を掴むと、そのまま力任せに引き千切っ
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