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駄目親父としっかり娘の珍道中
第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その1
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れた。
 首から上がごっそりとなくなっていた。切断とか力任せに引きちぎったとか、そう言う部類の傷じゃない。
 圧倒的高威力の魔力砲で焼き切られた感じの傷だった。
 全員の思考が恐怖一色に染まって行く。
 立ち籠る黒煙の中から再度それが放たれた。今度は一発じゃない。
 まるで砲撃の雨あられだ。
 急ぎ魔力結解を展開したが無駄だった。その砲撃は結解をぶち抜き、術者の心臓を貫通した。
 他では腰辺りから真っ二つにされる者も居たし、両手両足に貰い五体不満足になった後に頭部を消された者も居た。
 とにかく、皆碌な死に方をしなかった。誰もが見るも無残な、とても残酷な死に方をしてしまったのだ。

「あ・・・あぁぁ・・・あああぁああぁぁ―――」

 残っていたのは部隊に指示を出していた男一人だった。他の仲間は皆先の砲撃で皆即死していた。
 有り得ない。こんなの有り得る筈がない。
 時空管理局の局員の中でも選りすぐりのエリートで構成された部隊がこうも呆気なく殺されてしまうなんて。
 信じたくはなかった。夢ならば覚めて欲しかった。だが、現実は非情だった。
 黒煙が晴れたそこに居たのは、先の砲撃を直撃したにも関わらず無傷同然の姿の少女がそこに立っていた。




     ***




 目の前の連中から魔力砲の一斉掃射が来るのは何となくわかった。どの道、私には意味がない。
 魔力攻撃など、私にわざわざエネルギーを与える行為に過ぎないのだから。
 連中がくれると言うのなら有難く頂戴するだけ。そして、貰った分のほんの少しだけお返しをすれば良いだろう。
 そうすればこいつらは殺せる。
 魔力砲が命中した際に周囲を黒煙で覆われてしまい視界が塞がれたがこれも意味はない。
 連中の魔力を感知すれば位置の特定など簡単だ。
 ふと、反撃しようとした際に、連中の言葉が聞こえてきた。

「へっ、おどかせやがって・・・何がここでころしてやる・・・だ! 俺達精鋭を舐めるんじゃねぇ!」

 そんな言葉が聞こえてきた。
 精鋭? 詳しい意味は知らないが要するに普通の奴よりも格段に強い連中って事で良いんだろうか?
 どの道、私からしてみれば雑魚でしかない。だけど、あんな事を言われたのは少しムカつく。
 さっき無線みたいなので指示をしていたあの男もだけど、あの男は最期に取っておく事にする。
 数でどうにか出来ると誤解してる奴に社会の厳しさを教えてやろう。
 でだ、最初の生贄にと選んだのはさっきのムカつく言葉を放った奴だ。
 相当自信があるみたいだし、それじゃ犠牲者第一号となっていただきますよ。
 私は右手をそいつの頭部に合わせ、人差し指を伸ばすと、その切っ先に魔力を集め、放った。
 一瞬の閃光、それが指先から放たれ、一瞬
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