ペルソナ3
1788話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ショートボウの調子は……問題ないようね」
部屋の中で、ゆかりがショートボウの調子を確信しながら、満足そうに呟く。
ちなみにショートボウは俺の空間倉庫に入れてあるので、荷物になったりといったことはない。
本来ならこういう調整とかは夜……あの現象が起きる前にしておけば十分なのだが、今は折角ゆかりがこの部屋にやって来たということで、どうせならと、ゆかりは今夜塔に向かう際の武器の準備をする事にしたのだ。
……電気ストーブの前で。
まぁ、この電気ストーブは元々ゆかりが俺の部屋で使う為に買った奴だし、それは別にいいんだけど。
俺の場合は、特に寒さとかは感じないし。
勿論感じようと思えば感じる事も出来るのだが、今は特に感じる必要はない。
取りあえず俺もゆかりの真似をして、ゲイ・ボルグの様子を見ていたのだが、さすが宝具と言うべきか、万全の状態であって、特に何かをする必要はなかった。
なので、俺がやるべき事はもうなく、今はTVを眺めていた。
もっとも、この時間にやっているのはドラマの再放送とか、情報番組とか、そういうのが殆どなのだが。
そんな中……
『今から約10年前に起きた、ムーンライトブリッジの事故ですが、現在でもこの事故についての謎は多く残っています。中でも……』
ぶち、と。
モニタに映し出されていたコメンテーターの女が何かを言うよりも前に、ゆかりがリモコンでTVのチャンネルを変える。
「どうしたんだ?」
「……ううん。ちょっと今のコメンテーターが嫌いだったから」
「ふーん」
何か嫌いという以外に思うところがあるというのは確実だったが、それを聞いても答えないだろうというのは容易に予想出来た。
『見てください。まだ2月だというのに、何故か桜が咲いています! 何故この1本だけがこれだけ早く咲いたのか……専門家も、不思議がっていました』
ゆかりが変えたチャンネルに映されていたのは、2月に咲く桜というかなり不思議な光景だった。
「へぇ、珍しいな。異常気象って奴か?」
「どうかしらね。けど、この季節に桜が咲いてるのは……ちょっと見てて、不思議な気分になるわ」
しみじみと呟くゆかりは、TVに映し出された光景に目を奪われ、先程の嫌いなコメンテーター云々の件は忘れているように思えた。
勿論それが本当に忘れているのかどうかというのは、俺には分からないが……それでも、こうして見る限りでは、いつも通りに見える。
「今度の休みにまだ咲いているようなら、ちょっと早いけど花見にでも行ってみるか?」
「え? ああ、そう言えばアクセルの魔法なら、距離とかは関係ないんだっけ。……そうね、ちょっと興味あるけど……人が多いんじゃない?」
「どうだろうな。2月だし、まだ花見にはちょ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ