ペルソナ3
1788話
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ていくところを見られたゆかりがどんな風に噂されるのか、ちょっと楽しみなような気がしないでもない。
少なくても、今回の件については俺は悪くない筈だし。
俺と目が合うと、その女は急激に頬を赤く染めながら走り去る。
うん、まぁ、俺は悪くない。敢えて何が悪いのかと考えれば……ゆかりの運が悪かったんだろうな。
そう判断し、折角だからという事で適当に周囲を冷やかしながら歩いていく。
近くにあった書店に入り、暇潰しに使えそうな本を適当に買う。
お、この漫画は他の世界にはなかった、この世界だけの奴だな。
こっちの小説も中々……うん? グルメマップ? これも一応買っていくか。
そんな感じで漫画やら小説やら雑誌やらを適当に買い、書店を出て……
「うん?」
ふと、視線の先を1台の車が信号で停まったのに気が付く。
いや、それだけであれば、特に気にする必要はなかっただろう。
だがその車がかなり豪華な……いわゆる黒塗りの高級車なのが俺がその車を気にした理由の1つでもあったし、その車の後部座席に赤い髪をした女が……以前月光館学園の中で見た、俺に奇妙な感覚を抱かせるような相手だったというのが、大きい。
すると、そんな俺の視線を感じたのか、その女はふとこちらに視線を返してくる。
空中で絡まる、俺と女の視線。
お互いが何の理由もなく、相手から視線を逸らせなくなり……やがて、車の中にいる女が何か口を開こうとした瞬間、信号が青になり、そのまま車が進み始めた。
後部座席に座っていた女は首を曲げてこちらを見てきたが、結局そのまま何も言う事はないまま、車で去ってしまう。
……さて、あの女は一体何だったんだろうな?
月光館学園の中で見た時も奇妙な違和感があったが、今回もまた同じものを感じた。
実はあの時に感じた何かというのは、俺の気のせいだった……そんな風に思う事が出来ない訳でもなかったが、真っ正直にそれを信じる訳にもいかない。
一度本人に当たってみるか?
それもまたいいだろうが……出来ればそれは最後の手段にしたい。
可能であれば、あの2人から受け取った感覚の正体を理解してから、行動に……
そう考えるも、ふと気が付く。
そう言えば、月光館学園の2人以外にも同じような感じを受けた相手がいたと。
携帯で時間を確認すると、そこに表示されているのは午後4時くらい。
書店で本を選んでいる間に、既に薄暗い時間になってしまっていたらしい。
それでも、今日は晴れだった為かまだ薄暗いで済んでいるが……これが雨だったり、曇りだったりした日には、もっと暗くなっているだろう。
そんな事を考えつつ、携帯に登録してある電話番号に電話する。
『アルマーか? どうした?』
「荒垣、今どこにいる? ちょっと話がある
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