暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1788話
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じゃあ、今度花見に行く時に誘ってみない?」
「だから、なんでそうなるんだよ」

 つくづく、俺との噂を消そうと必死になっているのが丸分かりだな。
 いやまぁ、ゆかりにとっては、本当に付き合っている訳でもないのに、俺との噂が流れているというのは面白くないんだろうが。

「だって、美人なんでしょ?」
「……そうだな。けど、だからって俺が誘うなんて事にはならないだろ」

 もっとも、あの店主と仲良くなっておくのが塔を攻略する上で有利になるというのは、間違いのない事実だろうが。
 色々と俺にはない知識とか持ってるし、アドバイザー的な意味では間違いなく有益だろう。

「ふーん。……そうなんだ」

 俺の言葉に、どことなく不機嫌そうで……それでいながら、どことなく嬉しそうな様子すら見せるという、複雑なゆかりの様子を見ながら、俺は首を傾げる。
 ただ、ここで何かを言えば色々と藪蛇になるような感じがしたので、その辺りにについては言葉にしない。
 ともあれ、ゆかりが弓の調子を見終わると、もうそれぞれ暇になるのは間違いなく……

「じゃあ、取りあえずそろそろ帰るわね」

 ゆかりの口からもう帰るという言葉が飛び出すのは、そう不思議な事ではなかった。

「分かった。じゃあ送っていくか? 電車で帰るより、俺の影のゲートを使って帰った方が手っ取り早いだろ?」
「……そうね。じゃあ、お願い出来る? ああ、けど別に寮の中に直接出るような真似はしないでね。一応帰ってきたというのを他の人に見せておく必要もあるから」
「そんなものなのか?」

 多少疑問に思わないでもなかったが、ゆかりがそう言うのであればこちらとしてもそれを聞かないという選択肢はない。
 ゆかりが手早く帰る準備を終えると、特にこれといった用意をする必要がない俺は、そのままゆかりと共に影のゲートに沈み込んでいく。
 そうして影から姿を現せば、ゆかりの住んでいる女子寮からそれ程離れていない場所にある建物の陰だった。

「ここでいいのか?」
「ええ。じゃあ、また夜に」

 一瞬送ろうか? と言おうかとも思ったが、俺との噂を打ち消すのに躍起になっているゆかりが、その提案を受け入れる筈もない。
 なら言わない方が、ゆかりの機嫌を損ねず……結果として、塔の攻略で有効に働くのは間違いないだろうと判断し、それ以上は何も口にしない。
 そうして建物の陰から去って行ったゆかりだったが……うん、少し離れた場所で俺とゆかりが建物の陰に一緒にいるのを見て驚いた様子を見せている女がいたのは、きっと気が付かなかったのだろう。
 幸いにも影で転移してきたところは見ていなかったようだが、建物の陰に俺と密着した――影のゲートで転移したのだから当然だが――状態でいたところや、そんな状態から離れ
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