ペルソナ3
1788話
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っと早いって事で、少し見に来るような奴はいるかもしれないが、実際にしっかりとした花見をする奴はそう多くないと思うけどな」
2月ももう少しで終わるだけに、寒さも大分緩んできてはいるが、それでもまだ普通ならコートもなしで出歩くような真似はしないし、下手をすれば雪が降ってもおかしくはない。
その辺りの事を考えれば、花見をするかと言われれば……うん、やっぱりちょっと難しいだろう。
勿論世の中には酔狂な奴もいるので、絶対に誰もいないとは限らない。だが……それでも、普通に花見と聞いて予想するような光景になるかと言われれば……それはないと断言出来た。
「そう、ね……」
「あの現象や塔について気にしてるのは分かるが、気分転換ってのも必要だろ?」
実際、俺から見てゆかりは何だか一生懸命な気がする。
いや、普通に考えれば一生懸命というのは全く悪くない……どころか、いい事なのだ。
だが、ゆかりの場合、それは色々と不味い方に向かいつつあるのが心配だった。
下手に真面目なだけに、視野狭窄になるとか、そんな感じで。
だからこそ、この辺りで一旦ゆかりに気分転換をさせておきたかった。
「それに、そろそろ矢を買いに行く必要もあるだろ? この辺りだけじゃなくて、遠くの店で矢を買えば、あまり怪しまれないんじゃないのか? そのついでに花見って事でどうだ?」
そう告げると、ゆかりの表情が少しだけ揺れる。
直接花見に行くというのは、ゆかりにとってすぐに頷ける事ではなかったのだろうが、そこに矢を買いに行くという塔の攻略に関わる事が混ざれば、それはゆかりの心を動かすには十分な説得力を持ったのだろう。
そのまま数十秒程迷い……やがて、ゆかりは小さく頷く。
「そうね。分かったわ。アクセルがそこまで言うのなら、今度の休日にでも行ってみましょうか」
今日木曜なので、休日まではもう少しだな。
「料理の準備は任せておけ」
空間倉庫を持つ俺にとって、出来たての料理を花見に持っていくというのは、得意な事だと言ってもいい。
まぁ、大っぴらに空間倉庫を使う訳にいかない以上、大きめのバッグとかである程度偽装工作をする必要はあるだろうけど。
「花見……か。ちょっと楽しみね」
そう呟くゆかりの横顔が、強く印象に残る。
多分、花見という行為に対して何か色々と思うところがあるんだろうな。
「じゃあ、そういう事で。……花見については、また後で話すとしよう」
「そうしましょ。……それで、結局眞宵堂はどうだった?」
「ん? 言っただろ? 宝石は……」
「じゃなくて、眞宵堂の店の人。美人だったでしょ?」
「なんだってそっちに話が飛ぶのかは分からないけど……まぁ、どちらかと言えば美人なのは間違いなかったな」
「
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