621部分:第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその七
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第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその七
「甘いものが好きか」
「はい、作るのも食べるのも」
「どちらも大好きです」
「それはわしもじゃ」
厳顔はここで笑顔になっていた。
「甘いものも好きじゃぞ」
「そうよね。桔梗は昔からお酒もいけるけれど」
「甘いものも好きじゃ」
こう黄忠にも答える。
「しかしそれは紫苑、御主もではないか」
「そうよ。どちらもいけるわ」
「因果なものよ。どちらも好きなのは」
笑顔で話す厳顔だった。
「まあそれでじゃ」
「そうね。それじゃあ」
「ラーメンを食べに入ろうぞ」
こうしてであった。彼女達はそのラーメン屋に入った。そうしてだった。
一行の前に一つずつだ。途方もない大きさのラーメンの丼が出て来たのであった。そこには麺も具もスープも満ち満ちていた。
「ううむ、これは」
「二十玉はあるな」
関羽にその麺の数を言う趙雲だった。
「そしてチャーシューはだ」
「一キロはないか?」
関羽はそのチャーシューの量を見て述べた。
「これはかなり」
「葱にモヤシも尋常な量じゃないな」
「ゆで卵がそのまま五つも入っているのだ」
馬超と張飛もまじまじと見ている。
「これはかなりな」
「食べがいがあるのだ」
「うっ、これだけ食べたら」
劉備はその圧倒的なラーメンを前に引いている。
「間違いなく太るよね」
「はい、確実に」
「カロリーは相当なものですから」
孔明と鳳統もそれを予測していた。
「けれど物凄く美味しそうですし」
「お腹も空いてますし」
誘惑は強かった。それでだった。
「それじゃあやっぱり」
「ここは」
「うん、食べよう」
馬岱の言葉は明るい。顔もだ。
「張り切ってね」
「御前にこれが食べきれるのか」
魏延はここでも馬岱につっかかる。
「その小さな身体で」
「甘く見ないでよ」
馬岱もきっとした顔で言い返す。
「私だってね。この位はね」
「そうか、食べきれるのだな」
「そういうあんたこそどうなのよ」
「こんなものは実に軽い」
素っ気無く言ってみせる魏延だった。
「まあそこで見ていることだ」
「見なさいよ、私だってね」
二人はここでもいがみ合う。そうしてであった。
黄忠と厳顔はだ。笑顔で話をしていた。
「相変わらずラーメンも好きなのね」
「その通りじゃ。御主もそうじゃな」
「ええ、勿論よ」
「さすればじゃ」
「喜んで食べさせてもらうわ」
「そうするとしよう」
こうした話をしてだ。二人もまた食べようとする。
そしてであった。神楽達もであった。
「このラーメンは」
「辛い味付けね」
「唐辛子ですね」
それぞれ話すのだった。
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