62部分:第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその五
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た。曹操は己の席にいて左右にはそれぞれ夏侯惇と夏侯淵が立っている。曹仁と曹洪もいる。
「字は雲長だ」
「そう、貴女がなのね」
曹操は彼女の名前を聞いてまずは笑った。
「噂は聞いているわ。山賊退治の英傑ね」
「私を知っているのか」
「ええ。それに類稀なる美女だということも」
このことを言うと笑みを妖艶なものにさせる曹操だった。
「それも聞いているわ」
「そうなのか」
「噂の通りね」
そしてこうも言ってみせたのだった。
「かなりの美女だわ」
「そんなことはいい、それよりもだ」
「それよりも。何かしら」
「連れから聞いた。私の友人が貴殿を狙ったそうだな」
「馬超のことかしら」
「そうだ、彼女のことだ」
まさに彼女のことだという。こう答えたのだった。
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