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アタエルモノ
第一話
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部も。人間が棒やらなんやらが無しであんなに飛んじゃ駄目だよ。ドーピング疑うよ。
 
そんな感じで、そそくさと体育館から出てきた。
 
「まさかあの身長でリング両手で掴むとは……バレー部怖いな。」
 
俺はそう呟いて、再び歩き始めた。これで運動部はだいたい見終わったから、次は文化部でも見ようか。吹奏楽部、美術部、報道部…………色々あるな。

まずは吹奏楽部からでも見るかな。
 
俺は地図を確認して、吹奏楽部が活動場所にしてるといる音楽室周辺に向かった。しかし、そこそこ遠い。
 
…………ちょっと、ショートカットしてみるかな。
 
今更だが、この学校は第一棟から第三棟までの本館と技術棟が一つ、部室棟が一つとあり、北から部室棟、第三棟、第二棟、第一棟、技術棟と並んでいる。当然、音楽室は技術棟にあるわけだが、体育館は部室棟の隣にある。
 
「ま、要するにそこまでの建物全部通り抜けようって事だ。」
 
誰に言うでもなくそう呟くと、俺は部室棟に入っていった。そのままの足で、三階まで上がる。すべての棟がそれぞれの階で渡り廊下で繋がっているから、先に上がってしまおうと言う寸法だ。

ま、学校探検だと思おう。
 
俺は三階にやって来ると、長い廊下を歩き始めた。流石になかなかの数の部活&同好会があるだけあって使われている部室がすごく多い。
 
この辺の文芸部だとかも、のめり込んだら楽しいんだろうか。ま、俺はあまり本は読まないけどな。
 
 
 
 
 
違和感。
 
 
 
 
 
「…………あれ、っかしいな。」
 
俺はそんなどーでもいいことを考えていたが、何か変な感覚を覚え、立ち止まった。
 
ここは所謂内廊下で、両サイドに教室があるのだが、部室の為に作られた建物だ。どこかの部室が一つだけ大きいと言うことはなく、一階の部活はキレイに同じ広さで部屋分けされていた。
 
だが、三階では、北側の教室が少しずつ大きいように見える。その証拠に、教室がキレイに並んでいない。
 
俺の目の前の教室は、入り口の扉が、真向いの教室の窓の前になっている。
 
……………………。
 
俺はその後、念のため一階と二階を見て、やっぱり三階の北側の教室だけ大きさが違うと確信した。
 
「…………ここは、なに部の部室だ?」
 
俺は持っていた地図を広げた。
 

 
地図には、等間隔で教室が分けられて書かれていた。
 

 
 
何か、おかしい。
 
俺は、地図の間取りを見ながら、一つ一つの部室の確認をし始めた。
 
南側はきちんと全部の部室があった。
 
そして。
 
北側には、真ん中付近に本来あるはずの空き教室がキレイに無くなっていることに気づいた。
 
場所
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