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アタエルモノ
第一話
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かに。それが印象的で神谷の名前はすぐに覚えたんだけどな。
 
つーか、神谷ってボクっこなのな。俺が居た中学校には、『たいして可愛くもないけどそうしてキャラ作りしてる腐女子』しか居なかった。ある意味、お互いに人生損してた。
 
「それでさ、人助けなんかできたらいいなーって。日常的なことから、超常的な事まで。」
 
一体何をする気だよ。超常的な事って。
 
「へぇ。んじゃま、俺も何かあったら頼らせて貰うわ。」
 
俺はそう相槌を打つと、再びカツ丼に目を向けた。しかし、この旨さでこのボリューム…………文句なしだな。
 
俺と神谷はその後、他愛のない話をしながらお互いに箸を進めていた。神谷の場合はフォークとスプーンだが。
 
「ふぅ、ごちそうさま。」
 
「ごちそーさまでした!」
 
俺と神谷はほぼ同時に食い終わった。
 
「さてと、俺はこれから色んな部活を見て回ろうかと思ってるんだけど、神谷はどうするんだ?」
 
俺はお盆を持って立ち上がりながらそう言った。神谷もそれにつられてか、立ち上がった。
 
「うーん、ボクはちょっと用事があるから。」
 
少し残念そうに微笑む神谷。うーむ、ひとつひとつの仕草がいちいち可愛いな。
 
「そっか。それじゃ、また明日な。」
 
「うんっ。また明日!」
 
神谷と挨拶を交わした後、俺はお盆を返却口に返して、食堂を後にした。
 
 
 
――俺は後に、ここで神谷と一緒に行動しなくて良かったと思うことになるのだが…………それはまた別の話。
 
 
 
―体育館―
 

俺は神谷と別れた後、取り合えずグラウンドの方に向かった。そこで、野球部やサッカー部、陸上部にテニス部などを見てきた。やはりどこの部活も人が沢山いた。
 
恐らくだけど、今から初めてもレギュラーなんかとてもじゃないが無理だろうとは分かっているのだが、今現在もグラウンドから体育館に移動しても運動部を見ているわけだ。
 
それで今はバレー部の見学だ。春高バレーとかでたまに見たりはするけど、こんなにネットが高いのかと驚いた。俺はそんなに背が低い方ではないが、手なんか全然出ない。
 
うーん、これはバレー部もきついかな………と、辺りを見渡した。すると、百六十五、六位かな?の背の奴が、バスケのゴールのバックボードに向かって飛ぼうとしていた。
 
あの背でボード届いたらすげぇなー、とか思いながら見ていた。
 
キュッ、キュキュッ、ダンッ!
 
ガシッ。
 
…………人生で初めて二段ジャンプを見た気がする。
 
その男子は、バックボードどころか、リングを両手で掴んだ。
 
確実に一メートル以上飛んでた。
 
…………バレー部は絶対に止めておこう。同じ理由でバスケ
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