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アタエルモノ
第一話
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』が本気であったらしい。良いのか学びの宮グループ。
 
まぁ、それが関係しているのかは分からないが、この学校は生徒の自立心を育むことがなんとかかんとかで、基本的には生徒が中心となった活動が多い。と言っても、千人以上いる高校生をまとめきれる訳もなく、ほんとに校訓が『自由奔放』なんじゃないかと思うほどだ。

例えば、部活動や同好会の数が沢山あるだとか(パンフにあるだけで百以上あった。)。まぁ、そのおかげか知らないが、文化祭や体育祭は毎年大にぎわいらしい。
 
そんなことを考えていたら、終業のチャイムが鳴った。
 
「それじゃ、今日のところはここまで。昼からは部活動の見学や校内探検でもしときなさい。それじゃ、赤坂、号令。」
 
と、先生は出席番号一番の男子を指名した。
 
「起立、ちゅうもー…………じゃなかった、礼。」
 
うん、君、どこの県の人だい?俺の知る限り、一つしかないんだけど?『注目』なんて言うところ。
 
「え?普通注目するんじゃないの?」
 
と、先生が驚いた顔で俺たちを見ていた。
 
そういや先生、そこの県から転勤してきたって言ってましたね…………。
 
「あー、じゃあ、うちのクラスは、『起立、注目、礼』でいいんじゃないっすか?」
 
すると、クラスの男子の誰かがそう言った。
 
「あー、いーんじゃね?」
 
「そうね!面白いと思う!」
 
「せやなー。」
 
このクラスにはノリのいい奴が多いのか、殆ど全員が賛同した。
 
「そうだな、それじゃ、そーゆーことで、もっかい頼むわ。」
 
先生はにやりと笑って、再び赤坂にアイコンタクトを取った。
 
「あー、では。…………起立、注目、礼!」
 
『ありがとうございました!!』
 
うん、どうやら、いいクラスに入れたようだ。
 
挨拶が終わり、先生が教室から出ていくと、クラスメイト達は隣の人や友人であろう人と話始めた。
 
さてと、同中の奴でも居たら話しやすいんだけど…………生憎、この高校には俺と同中の奴は居ない。
 
折角の機会だ。せめて話位はしたいんだけどな…………。
 
「なぁなぁ、お前って、同中の奴居ねぇの?」
 
そう辺りを見渡していると、俺の左から声が聞こえてきた。振り返ると、そこには席に座ったままの男子がこちらを見ていた。
 
「あぁ。だからこーゆーときに話す奴が居なくて困ってる所だ。」
 
俺がそう言うと、そいつは軽く笑った。
 
「いやー、そーゆーの困るよねぇ。俺も同中の奴が居なくてさ。」
 
成る程、同類という訳か。
 
「さっき自己紹介したばっかだけど、俺は福島 彰久(ふくしま あきひさ)。よろしくな!」
 
福島はそう言うと、右手を挙げて挨拶してきた。

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