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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十六話 シグナム攻略法
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シグナムはこんな無茶は言わない。。

多少訓練で行きすぎる事はあるが、自分より実力で劣る者に試合を挑むような事はしない。

「そこを、何とか許可してはくれまいか?」

だが、今日のシグナムはその無茶を通そうとしてくる。

「ダメですよ!それでなくても、最近アスカ君は怪我が多いんですから」

ホテルアグスタ以降、アスカは割とシャレにならない大怪我を何回か負っている。

シャマルからも、しばらく教導から外せないかと相談を受けたくらい、ダメージの蓄積が心配な部分があった。

本人の希望もあり、ケアをしながら訓練を進める方面で落ち着いたが、シグナムと真剣勝負の試合などしたらどうなるか?

死ぬ事は無いにせよ、大怪我を負う可能性はある。

「できれば休ませたいと考えているんです。試合なんて、許可できません」

なのはは、はっきりと否定の意思をシグナムに伝えた。

なのはと言う人物をシグナムは良く知っている。こう言い出したら、まず自分を曲げない事も。

なのはは絶対に許可をしないと決めていた。だが、次のシグナムの行動に大きく決心が揺れ動いてしまった。

「……この通りだ!なのは、頼む!」

そう言うや、シグナムは両手両膝を床に着き、頭を下げた。

いわゆる、土下座だった。

「え?えぇぇぇぇぇぇ!!!ちょっと、シグナムさん!何やってるんですか!やめてください!!」

パニックに陥りそうになりながら、なのははシグナムを起こそうとするが、彼女は頑として動かない。

「頼む!この通り!」

「やめてください!頭を上げて!」

と押し問答をしている時だった。

「おーい、なのはー。いるのか?」

カチャリと隊長室のドアが開きかかる。

「きゃぁぁぁぁっ!」

バン!

悲鳴を上げてなのはが隊長室のドアを叩きつけるように閉める。

「な…どうしたんだよ!」

外から聞こえてきたのはヴィータの声。

「ヴィ、ヴィータちゃん、ごめん!今、ちょっと立て込んでるから!」

動揺した声を必死に押さえて、なのははヴィータを閉め出す。

「おい、大丈夫か?何があった?」

心配する声が聞こえるが、今はドアを開ける訳にはいかない。

「ごめんね、ヴィータちゃん。今はそっとしておいて欲しいの。すぐに行くから、訓練の続き、お願い!」

「……あぁ、分かった。でも、一人で何でも背負い込もうとすんよな?アタシに頼っていいんだからな」

長いつき合いから、なのはがこう言い出したら自分を曲げない事を、ヴィータも知っている。

だから、今は好きにさせようと訓練場に戻って行った。

「ふうぅ…」

大きく息をはいて、ようやくなのはは落ち着きを…取り戻せなかった。

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