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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十六話 シグナム攻略法
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モニターがサーモグラフのような画面に切り替わった。

「これでスロー再生するわよ」

画面がゆっくりと動く。物理的な力の流れが赤く表示される。

そして、それはレヴァンティンさんがバリアに触れる瞬間に起きた。

剣先から背中に掛けて、真逆の力が働いている。

「本当だ。ほんの僅かだけど、ベクトルが背中側に流れてる……よく気づいたわね」

シャーリーは感心しているみたいだ。まあ、かなり微妙な動きだから、ほとんど気づかないよね。

「どうして分かったの?」

シャーリーが心底不思議そうに聞いてきた。

そう、普通なら絶対に気づかないだろう。

だからオレは、思いっきりのドヤ顔で答えてやった!

「それはな、オッパイだ!」

ドヤァ!

「………へ?」

目が点になるシャーリー。そうだろう、分からないだろう!

「オッパイの揺れが微妙に違ったからだ!あの勢いで突進してくるんだから、普通なら少し押しつぶされている筈なのに、打つ瞬間は波打つように揺れていたのだ!
つまり、前に行く力と後ろに引っ張られる力が働いたって事…ぐがっ!」

ガンッ!!!

最後まで言うことができなかった。

オレは猛烈な打撃を喰らって床に崩れ落ちる。

シャーリーが電話帳2冊分の厚さがある”デバイス辞典”を思いっきり振り下ろしやがったからだ。

「もう少し言いようって物があるでしょ!」

「ゴ、ゴメンナサイ…」

ガンガン痛む頭を押さえ、オレは素直に謝る。マジで勘弁してください。痛いです。

「だいたい、シグナムさんの攻略法を探すって言ってて、どこを見ていたのよ?」

シャーリーは思いっきり呆れたように言ってくる。

「オッパイ」

即答のオレ。

「もう一発欲しいの?」

「ごめんなさい…」

ここはすなおに謝っておこう。さすがにあの一撃をもう一発くらうとリアル命にかかわる。

ウン、ニンゲンスナオガイチバンダヨ…

「もう…でも、この重心移動って何か意味あるのかな?」

このベクトルの流れは、オレも理解できない。攻撃する方向に対してブレーキをかけているような物だからだ。

「分からないな…普通なら、重心の全てを攻撃対象に傾けるだろ?」

「うん。重心と言うか、体重を掛けて攻撃を重くするよね。でも、シグナムさんのやり方だと、ベクトルが逆なんだよね」

うーん、と二人して悩み始める。

散々悩んで、なんの答えも出なかった。

このままでは埒があかないので、シグナム副隊長以外の人のデータと見比べてみる。

同じ古代ベルカ式のヴィータ副隊長は、清々しいまでにデバイスに体重かけてるし、シスターシャッハも、攻撃時は重心を攻撃対象に向けている
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