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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
619部分:第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその五
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第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその五

「多分桔梗の個性にはね」
「合わぬ。だからこの二人もじゃ」
「じゃあ袁術さんのところも」
「もっと合わぬな」
 馬岱に話した。
「絶対にな」
「そうよね。董卓さんもね」
「あそこはどうもよからぬものを感じる」
 董卓についてはそうだというのだった。
「董卓殿達だけでなく他の者達も悪い御仁達ではないようだがな」
「それでもなんですか」
「よからぬものを感じる」
 また言う厳顔だった。劉備にだった。
「不吉なものをじゃ」
「不吉なもの」
「まさか」
 ミナと月が彼女の顔のその言葉に顔を曇らせる。
「この国を覆うそれなのかしら」
「その可能性はありますね」
「とにかくそれでなのですね」
 神楽も厳顔に話す。
「仕えるべき主は」
「どうも見当たらん」
 厳顔は首を傾げさせてもきた。
「中原に向かうと決めたがな」
「そういえばこの益州は牧の人がいませんね」
「そうよね」
 孔明が鳳統の言葉に頷く。
「交州は孫策さんで決まりそうですけれど」
「徐州と益州は。今のところ」
「それも何とかならぬかのう」
 厳顔はこのことにも難しい顔を見せた。
「それでこの州は今一つ落ち着かん」
「厳顔さんは牧にはなられないんですか」
 劉備がふと尋ねた。
「申し出て。それには」
「ははは、わしの性に合わん」
 そのことは一笑に伏す厳顔だった。
「そうした偉い立場にいる人間ではない」
「だからなですか」
「そうじゃ。だからこそここの太守を辞めてじゃ」
「中原になんですか」
「そうする。まあ話はこれで終わりじゃ」
 厳顔はここで話を終わらせた。そうしてだった。あらためて劉備達に話す。
「さて、茶の後はじゃ」
「むっ、何だ」
「何かあるのだ?」
「街に出ぬか?」
 一行をこう誘った。
「ここに閉じ篭って話してばかりというのも面白くなかろう」
「それはそうだな」
「その通りなのだ」
「だからじゃ。街に出て見回ろうぞ」
 こう劉備達に話す。
「それではな」
「わかりました。それじゃあ」
 こうしてだった。劉備達はだった。厳顔と共に街に出る。そこはかなり賑わっていた。
「ほほう、これは」
「いい感じだね」
 趙雲と馬岱が左右に連なる店を見て話す。どの店も活気に満ちており客が盛んに出入りしている。そうしたものを見てだった。
「ものも豊富にある」
「この辺りで一番いい街じゃないかな」
「桔梗様はああ見えてもだ」
 魏延がここで話す。
「いい太守なのだぞ」
「ああ見えてもというのは余計じゃ」
 そこに突っ込みを入れる厳顔だった。
「全く。言うにこと欠いてのう」
「これはすいません」
「まあよいがな。しかしこの街ともすぐに
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