暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1787話
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「今、ここで使ってみるか?」
「今!?」
「ああ。別にこのマジックアイテムを使うのは、あの塔の中じゃなくても構わない筈だ。であれば、ここで使ってみるのも1つの手だろ?」
「それは……そうだけど……」

 俺の言葉を理解は出来るが、あまり試してみたいとは思わない。
 そんな感じで告げてくるゆかりだったが、実際に塔の中で一か八かの状況で試すよりは、ここで試しておいた方が何かと都合がいい。
 もしダメージを受けるとしても、周囲の戦闘を全く気にせずに回復出来るのだから。
 その辺りの事情を説明すると、ゆかりは不承不承ではあるが、俺の言葉に頷く。
 もしここで試さない場合、それは実戦の中で直接試すといった事になるのは間違いない。
 いや、別に実戦の中じゃなくても、影に襲われていない場所で試せばいいんだろうが。
 ともあれ、俺はそのまま宝玉輪を手にすると、使用するという意思を込めて軽く魔力を流す。
 すると次の瞬間、俺の手を中心にして純白の……真っ白い光が部屋の中を照らした。

「きゃあっ!」

 ゆかりが、突然変わった部屋の中の様子に小さく悲鳴を上げる。
 そして部屋の中にあった光は、次の瞬間には完全に消えていた。

「……アクセル、何か異常はない?」

 恐る恐るといった様子で尋ねてきたゆかりだったが、俺はその言葉に首を横に振る。
 力が増しているようにも、身体の動きが普段より素早くなったりもしていない。
 それ以外にも身体の調子を確認するが、特にどうという事はない。
 ……結局、この宝玉輪に関しては、恐らくだが傷を回復する為の物ではないのか、という結論に落ち着くのだった。
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