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トシサダ戦国浪漫奇譚
第一章 天下統一編
第二十三話 降伏
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れるならば、それは殿の器に御座います。三十日前までは面識もないただの寄せ集めを束ねられたのは間違いなく殿にございます」

 曽根昌世は佇まいを正し真剣な表情で俺に言った。彼が俺へ敬意を抱いていることを強く感じることができた。

「俺は家臣達の働きに報いことができたか?」
「十分過ぎるほど報いておられると思います。家臣達の顔を見れば分かるはずですぞ」

 俺は曽根昌世に言われるままに動き回る家臣達の様子を見た。彼らが生き生きとしている様子が手に取るように分かった。

「そうか」

 俺は小さくつぶやくと右手で目を覆った。身体から緊張が一気に抜けた。人は嬉しくても泣けるんだな。こんな気持ちは初めてだ。
 曽根昌世は俺に何も声をかけなかった。
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