第三十一話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ても良かったのだが、こいつらが一体なんの話をしているのかが気になったので、盗み聞きすることにした。
「――おう、最早木曾の昔話どうこうじゃなくて、単純に摩耶さんに負けて、おまけに塩まで送られたのが目茶苦茶腹立った。だから――」
そう言った二号の顔は、物凄いどす黒かった。かなり怒っているらしい。そりゃそうか。あそこまでボロクソにやられたらなぁ…………。
まぁ、そこまで落ち込んで無さそうで良かった。
「今度は一、二ヶ月かけて、確実に摩耶さんに勝つ。それで無理なら、何回でも、勝つまでやってやる。」
…………わお。
どうやら二号の怒りは半端じゃないらしい。普段はあまり感情を表に出さない分、余計に迫力がある。
だけど、目の前の春雨が若干涙目になっていることに、二号は気付いているのだろうか。女を泣かせることは、男がしちゃいけないことランキングの堂々一位だ。
ま、オレはどちらかと言うと泣かせる方だが。
しかし、このままだと暴走しかねねぇな。いつぞやのどこぞの馬鹿みてぇにな。
オレのことだけどもさ。
「あんまり熱くなるんじゃねぇぞ?」
経験者は語るということで、あいつらに警告でもしようと考えたオレは、図書館に入りながらそう言った。
「木曾さん!?いつの間に!?」
春雨がすごく驚いてた。なんだ、てっきり春雨の事だから気付いてたと思ったのに。
「…………さっきからそこで盗み聞きしてたよな?」
二号は、表情を変えないままこちらを睨んできた。おぉこわ。
「んー、バレてたか。ま、それにしても、けちょんけちょんだったらしいな。」
「…………おう。」
てっきり怒ってくるなりなんなりしてくると踏んで言ったのだが、思いの外反応が薄かった…………額に青筋浮かしてるけども。
「んで、リベンジしたいと?」
オレは単刀直入に聞いた。
「おう。」「はいっ!」
二人は、同時にそう言った。二号だけが五月蝿く言ってんなら止めようかとも思ったが…………春雨も乗り気とは意外だ。つーか、さっきから意外なことばっかだな。
まぁ、春雨が乗り気だろうがなんだろうが、
「お前らの勝ちだろ。むしろ明日からの摩耶が心配で仕方ないね。」
オレは止めるんだけどな。
「「…………?」」
二号と春雨は、鳩が豆鉄砲食らったような顔をした。前々から思ってたが、一体どんな顔に言うのが正しいんだろうか。
「摩耶ってさ、『新入りと見習いにここまでやられるとは〜』とか言ってなかったか?」
まぁ、さっき聞いたから確実に分かるんだが。ここは木曾スゲーとか思わせとこう。
「は、はい。」
「そうだ。たか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ