第五章 Over World
それだけが、ただ一つの方法
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ようもない現実、というのはどうあがいても存在する。
だが、それをどうにでもしてあげると言う
「方法なら一つだけあるよ!」
魔法の使いと自称する者の、そんな声がしてきた。
ピョコン、と。高い声が、会話に割り込んできたのだ。
「お前・・・は・・・・!!」
「どうして・・・・!?」
驚愕するショウとほむら。
現れたのは、他でもないインキュベーダーだったのだから。
しかし蒔風と戦っていた時とは違い、姿は元の物と変わりない。
いつも通りの無表情。
その彼は、もはや代名詞であるかのようにそのセリフを言う。
「契約しないかい?君ならあれを倒すことも可能だよ。鹿目まどか」
その顔は無表情でありながら
その声は無機質な高いものでありながらも
陰湿なものに感じたのは、決して気のせいではないだろう。
だが、会話することすらおこがましいと言わんばかりに
「何故貴様がいまだ生きている」
魔導八天の一本を取りだし、ショウがキュゥべえに切っ先を向ける。
それに、そいつは淡々と答える。
「ボクには魂を実体化させる技術があるからね。万が一と言うことが起きるこの宇宙で、保険をかけておくのはおかしいことじゃないだろう?」
「魂を分離させて、保管していたということか」
「大元は砕かれたけど、それだけは何とか残ったよ。それを切り落とされた腕の分の肉体に宿して、再構築したのさ」
肉体も砲撃に焼かれ、魂もソウルジェムにされて砕かれたが、残ったそれだけをもとに元の姿に復活することは可能だったらしい。
それを聞き、ショウは鼻で笑う。
「んで?お前の恨む蒔風はあそこだ。行くなら止めないが」
顎をクイッ、と向けて笑うショウ。
だがキュゥべえは首を横に振る。
「あのなかじゃこの身体は一撃で砕けてしまうよ。彼を攻撃しようにも、エネルギーがない」
「・・・・だから鹿目まどかにワルプルギスを倒させ、魔力を消費し一発で魔女にさせてエネルギーをももらう気か」
「察しがいいじゃないか」
「鹿目まどかはすでに魔法少女だ。契約なんざ、できるわけがないだろ」
「所が、そうでもないのさ」
キュゥべえが語るに「鹿目まどかはまだ契約を済ませていない」
その証拠に、彼女の胸には、あるはずのソウルジェムが存在していなかった。
あのカケラ紡ぎの最後。
まどかは魔法少女になっていた。
しかし、契約の願いは一言も発していない。
あの段階では「まどかが決断し、魔法少女になる」という結果はあった物の、「願いをかなえ、契約した」という前段階はすっとばされているのだ。
だから今のま
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