第五章 Over World
それだけが、ただ一つの方法
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の触手であり、蒔風を真上から踏み潰すように、まっすぐに叩き落されていた。
「蒔風!!」
「オイ!!」
「蒔風さん!!」
ショウたち三人が叫び、後ろで魔法少女たちが武器を構える。
見上げると、ワルプルギスの夜はすでに正位置へと回転を終了させていた。
「この野郎・・・・」
「――――てよ」
「!?」
魔導八天を取りだし、ワルプルギスの夜に向かおうとするショウだが、消えるような声が聞こえてきて踏みとどまる。
見ると、叩き落とされた触手が少しだけ浮き上がっている。
その真下には蒔風が、上腕と背中で受け止めるようにそれを押し上げていた。
「ったく・・・この身体でまだ助かった・・・・」
「お前――――それは・・・・!!!」
蒔風の胸ポケットが、その中のソウルジェムが輝いていた。
今の蒔風がこの一撃に耐えられたのはひとえにそのおかげだ。
蒔風は開いた左手で剣を掴み、抜刀で触手を斬り、ビルの下に落とした。
ボタボタと血を流す蒔風だが、それを拭った跡には傷は一切ついていない。
クルン、と回って剣を構え、蒔風がワルプルギスの夜を睨み付けて不敵に笑う。
「ショウ。みんなを頼む」
「バ・・・・テメェ一人で相手にできる相手かよ!!」
「そうです!!魔女が相手なら、魔法少女の私たちの出番です!!」
「ショウ。連れて行け」
キィィィィいいいいい――――キュボゥッ!!!
「行け!!!」
ドォンッッッ!!!
ワルプルギスの夜の、口角の上がりきった口から高エネルギー砲が発射された。
蒔風はそれの下をくぐるように屋上から飛び出していき、ショウたち八人は後ろへと下がらされていた。
「放せ青龍!!」
「ダメです・・・・あなたは・・・・彼女たちを連れて・・・・!!」
「許容できるかバカ!!迦楼羅に喰わせんぞ!!!」
ショウを抑えながらも屋上から、蒔風とは正反対方向に下がらせるのは青龍だ。
アンクと映司はまとめて獅子に
後の五人も、一人ずつがついてさげられていっていた。
「今はとにかく距離を取ります!!」
「ここは近すぎるからの!!」
「迂回して行くぞ!!ヘマすんじゃねェ・・・ぞ!?」
放せ放せと暴れる杏子を肩に担ぐ天馬。
その声が、驚愕に詰まる。
目の前に襲来してきたのは、ワルプルギスの夜による触手の鞭だ。
裏をかかれたわけじゃない。
視界の外から振るわれたわけでもない。
目の前から 真正面から
ただ、気配を察するより早く、反応して回避するよりも早く、それは振るわれただけだ。
「
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