暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
それだけが、ただ一つの方法
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の触手であり、蒔風を真上から踏み潰すように、まっすぐに叩き落されていた。


「蒔風!!」

「オイ!!」

「蒔風さん!!」


ショウたち三人が叫び、後ろで魔法少女たちが武器を構える。
見上げると、ワルプルギスの夜はすでに正位置へと回転を終了させていた。


「この野郎・・・・」

「――――てよ」

「!?」


魔導八天を取りだし、ワルプルギスの夜に向かおうとするショウだが、消えるような声が聞こえてきて踏みとどまる。

見ると、叩き落とされた触手が少しだけ浮き上がっている。
その真下には蒔風が、上腕と背中で受け止めるようにそれを押し上げていた。



「ったく・・・この身体でまだ助かった・・・・」

「お前――――それは・・・・!!!」


蒔風の胸ポケットが、その中のソウルジェムが輝いていた。
今の蒔風がこの一撃に耐えられたのはひとえにそのおかげだ。

蒔風は開いた左手で剣を掴み、抜刀で触手を斬り、ビルの下に落とした。


ボタボタと血を流す蒔風だが、それを拭った跡には傷は一切ついていない。
クルン、と回って剣を構え、蒔風がワルプルギスの夜を睨み付けて不敵に笑う。


「ショウ。みんなを頼む」

「バ・・・・テメェ一人で相手にできる相手かよ!!」

「そうです!!魔女が相手なら、魔法少女の私たちの出番です!!」

「ショウ。連れて行け」


キィィィィいいいいい――――キュボゥッ!!!


「行け!!!」

ドォンッッッ!!!



ワルプルギスの夜の、口角の上がりきった口から高エネルギー砲が発射された。

蒔風はそれの下をくぐるように屋上から飛び出していき、ショウたち八人は後ろへと下がらされていた。



「放せ青龍!!」

「ダメです・・・・あなたは・・・・彼女たちを連れて・・・・!!」

「許容できるかバカ!!迦楼羅に喰わせんぞ!!!」



ショウを抑えながらも屋上から、蒔風とは正反対方向に下がらせるのは青龍だ。

アンクと映司はまとめて獅子に
後の五人も、一人ずつがついてさげられていっていた。



「今はとにかく距離を取ります!!」

「ここは近すぎるからの!!」

「迂回して行くぞ!!ヘマすんじゃねェ・・・ぞ!?」


放せ放せと暴れる杏子を肩に担ぐ天馬。
その声が、驚愕に詰まる。

目の前に襲来してきたのは、ワルプルギスの夜による触手の鞭だ。


裏をかかれたわけじゃない。
視界の外から振るわれたわけでもない。

目の前から 真正面から

ただ、気配を察するより早く、反応して回避するよりも早く、それは振るわれただけだ。




[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ