第五章 Over World
たから、みんなで
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ようとくれず、頑固だ。
まどかを魔法少女に引き込むし、絶望はさせる。
美樹さやかはすぐ感情的になって手におえないところがある。
そのせいでまどかを傷つけるし、彼女のおかげで魔法少女の真実と、魔女との関係性も知らされる。
全ての破滅の始まりとなる。
佐倉杏子はまだマシな方だ。
だが結局は私の話も忠告も無視してしまう。
彼女と一緒にワルプルギスの夜を戦ったことなどなく、その前に私自身が去るか、さやかと心中かだ。
鹿目まどかは一番厄介だ。
困っている人がいれば、自分を投げ捨ててでも助けようとする。
危険なことも顧みない。
どんなに私が大切だと言っても、彼女は自分の存在を軽視する。
だから、私は他の彼女たちを諦めた。
まどかひとりを救う。その為だけに私は動く。
信頼できるならいいだろう。
協力してくれるならいいだろう。
それを無視する程、愚かでもない。
だけど、期待なんてしない。
期待すれば、その時の落差は大きいのだ。
私がそんな絶望に染まったら、私が魔女になったとしたら。
もう時間逆行は出来なくなる。誰もまどかを救えない。
斬り捨てる時は、あっさりとあきらめた。
「だから・・・・あなたも諦めたのでしょう?」
「は?」
それを踏まえたうえでのほむらの言葉を、梨花が睨み付けて答えてきた。
その視線にひるむ。
今まで、この少女にどんな感情を向けても軽くいなされ、流されたというのに。
今この瞬間、初めて彼女からの怒りを向けられた。
「私はね・・・・みんなの素晴らしいところをたくさん知っているわ」
確かに皆、問題を起こすこともあるだろう。
だけど、それを差し引いてもみんなは大好きで、大切で、愛しい仲間だ。
「―――そんな彼らを見捨てて、失い、生き残る・・・・そんな未来なんか、私はいらなかった」
だから、私は何度も繰り返した。
「私が最後まで望んだのは、仲間たちみんなで望んだハッピーエンド。誰一人として掛けることなく、私は未来に向かって運命をこじ開けて見せた――――」
「そんな・・・・」
ほむらはそれを聞き愕然とする。
自分はまどかひとりを運命から救い出すために幾度も繰り返したというのに、この少女はさらにその上の人数を、仲間全てを救って見せると挑んだのだ。運命に。その結末に。
しかも聞くと彼女の死は、彼女の村にも関係があった。
彼女の死は、村の住人全ての死。
彼女は仲間だけでなく、そのすべての命を背負い込んで、そして勝利したのだ。
「そして私は勝ったわ。運命に、みんなで挑んで勝利した」
いったい
どれだけ
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