第五章 Over World
たから、みんなで
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面する人間などいないだろう。
そう考えるほむらを知ってか、梨花がいきなり嘲笑った。
「えぇ・・・知らないわよ。あんたの苦悩なんか」
「な・・・・」
「「たかだかその程度の運命」で、何を泣き腫らしているのか、私にはまったく理解できないわ」
辛辣な一言。
自分が繰り返してきた絶望の時間を、この女はその程度だと笑い捨てたのだ。
思わず、言葉に力が籠る。
「たった一人の親友を救いたくて、救いたくて救いたくて、救い出したくてしょうがないのに!!何度やっても助け出せない絶望!!あんたみたいな小娘に何がわかる・・・・自分の死?そんなことよりも、誰かが死ぬ方がもっと悲しいのよ!!そんなこともわからないの!?あんたは・・・・・」
「暁美ほむら」
ビクッ、と
一言名前を呼ばれただけだというのに、ほむらの身体が揺れる。
気付けば両手は手汗を握っていたし、首筋がネットリとした嫌な脂汗で湿っていた。
「時間操作の魔法とやらで、転校してからの一か月間を何度でも繰り返せる少女。親友・鹿目まどかの運命を打破するために、幾度も幾度も、あなたはこの見滝原を繰り返した―――――」
これは梨花の質問ではない。
ただの事実の確認だ。
だからほむらは無言だったし、梨花もそれに納得する。
「最初にワルプルギスの夜に敗北し、次に魔法少女の行く末を知り、親友と約束を交わした」
無言。肯定。
話は続く。
「その後、幾度となく時間を繰り返し、あなたはどうしても彼女を救えない・・・・」
「・・・・・」
「ちっさ」
「―――――!!!!」
ギチリと、ほむらの奥歯が軋む。
だが、梨花の瞳を見て一瞬で現実に戻される。
その瞳は、決して彼女を蔑むものではなかった。
否、そもそもほむらと争うことでもないのだ。こんなことは。
その瞳には、只々自分への誇りと自信しかなかった。
「私はね、何回も殺されたわ。殺されるたびに、時間を巻き戻った」
それは五年以上だったこともある。
徐々に短くなって、最後には二週間くらいしかなかった。
殺される前の記憶は、毎回ショックで飛んでしまうので犯人が誰かもわからない。
しかも、自分の周囲の友人は皆、何らかの事件を起こして死んでしまったり、破滅したり。
ほむらはその話に聞き入った。
今まで沸騰しかけていた脳内はどこに行ったのやら。
そうだ。
自分はそうして絶望した。
巴マミも、美樹さやかも、佐倉杏子も――――鹿目まどかも
自分からその中に飛び込み、勝手に消えて行ってしまう。
巴マミは、話を聞いてくれ
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