暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
ここに、私がいるから
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

父が死んだ。
弟も死んだ。

姉は捕らわれ、今目の前で少女が殺されようとしている。

少女が姉か妹かなんて、考えたことはない。

しかし、今重要なのは


その少女は、何にも代えて護りたい、たった一つの―――――



「やめて!!もう傷つけないで!!」

その様子を、つかまっていた少女は叫ぶ。
だが、いくら気概をもって打ち勝ったところで、所詮は子供だ。


十人以上の大人に勝てるわけもなく


その命は、あっさりと真っ二つにされて奪われた。



「嫌ぁァァアアアあああああ!!!!」

少女が叫ぶ。
そして直後、少女を掴む「悪魔」の手は、彼女の身体を引き裂いた。



ドクンッッ!!!




その瞬間




世界は暗転し、何もかもが消え失せた。





------------------------------------------------------------




「むにゃ?」

窓から差し込む陽気な朝日に、唯子のまぶたが刺激されて彼女が目を覚ます。


周囲を見渡すと、そこは教会の一室のようだ。
石造りの壁に、十字架をあしらったキャンドルスタンド等がある。


そして少しキョロキョロと見回し



「ここどこ?」



そんなことを呟くのだった。




------------------------------------------------------------



「ほう、気づいたらここに」

「そうなんですよね・・・」


そう言いながら、唯子は目覚めた教会で食事をもらっていた。

話し相手は、この教会の神父だ。
神父という印象で、紳士ともいえる感じがする、人当たりのいい老人。


今食事時を過ごしているのは、計五人。
先の二人に、二人の少年、一人の少女。


元気のある少年、すこし大人しいの少年、そして


「今日は元気がないですね?大丈夫かい?」

「あ・・・はい!」

少しぼんやりしている、一人の少女だ。



------------------------------------------------------------




唯子は教会の崖から、向こうを見る。

何かが来てくれる。
そんな気がする。


だが、それが何かがはっきりとわからないのだ。
風が髪を暴れさせ、それをかき上げて整える。


「お姉ちゃん」

「ん?」


その背後から、少女が歩み寄ってきた。
もう少し向こうには、村の子どもたちが遊びに来ている。


どうやら一緒
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ