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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
カケラ紡ぎ Tips2
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「あら、このカケラは早かったみたいね」

「あ・・・・」


そこでほむらはカケラ空間に戻っていた。
胸の前には、先ほどの欠片が浮かんでいる。


だが、そのカケラはピンボケのように中身が見えない。

半分は見える。マミの姿だ。
だが、その奥がぼやけてよく見えない。



「どういうこと?」

「ああ・・・それはまだ必要なことがあなたの中に備わってないからよ」

「?」

「そのカケラをさらに見るには、他のカケラを見て、それにふさわしい手札がないとダメよ」


手札。つまりは手段だ。
ほむらにはまだそれがないらいらしい。



「あの場面でどうすればいいのか、まだそれがわかってないのよ。あなたは」

「じゃあ・・・あのカケラは・・・・」

「ああ、大丈夫よ。別に失敗じゃないから。これはここに置いておきましょう。もしこの中身がわかるようになったら、カケラは自然とあなたのもとに行くわ」


ツイ、とそれを自分の傍らに持ってくる梨花。
そうして「さ、次よ」と言わんばかりに目を細める。



振り返った先に広がる、無数のカケラ。

次に選んだのは――――――



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「あなたに、大切な家族や、護りたいものはあるかしら?」

「え?・・・っと・・・」

「今のあなたは、家族や、友人や、街を・・・・失いたいとは思ってないわよね?」

「う・・・ん。私、この街もみんなも大好きだもん」



学校の渡り廊下。
保健室に向かう途中、ほむらはまどかにそう切り出した。


「な、なんでそんな話・・・・」


いきなりの話だ。

しかも、重い。
普段なら笑うことができたのかもしれないが、ほむらの眼光はそれを許さない鋭さがある。



「失いたく、無いのよね」

「うん・・・・」





【だったら、今の自分とは違う自分になろうとしないで】

ほむらは今まで、そう忠告してきた。
それが最後にどんな結果になろうとも、この警告だけはしなければならない。

だが、本当にこれで正しいのか。



ほむらが次に口から発するべき声は、何か―――――



「得体の知らないものに手を出すな」
「都合のいい話に乗らないで」
「絶対に誰かを助けられると思わないで」


鹿目まどかという少女は、たとえそれが無駄だとしても、誰かのた
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