第五章 Over World
カケラ紡ぎ Tips1
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怖気づく、なんてことはないわよね?」
見ると、マミもその手にソウルジェムを握っている。
しかし、友好的な雰囲気ではない。
そう、自分にはこの場面に見覚えがある。
確か・・・・・・
「・・・今私はキュゥべえのことを話した・・・・そう・・・ですね?」
「?そうよ。なに?今更シラを切る気なのかしら?」
そう言って、マミが踵を返す。
いきなりの展開に頭がついて行かないが、状況は大体把握できた。
自分は、知る限りのキュゥべえの情報をマミに話したのだ。
だがマミにとってキュゥべえは命の恩人で家族だ。
それを、いきなりやってきた見知らぬ年下の転校生に非難され、気を悪くしないわけがない。
今はそう言う場面だ。
(なんて最悪の場面から・・・・・)
思わず唇を噛むほむら。
だが
『次にあんなことがあれば』
「ッ・・・・」
梨花の言葉が頭に再生される。
ならば、私はここでどうすればいいのか。
自分の話を、分かってもらうまで聞いてもらう?
私自身のことを信頼させる?
挑発的な言葉をかけて、兎に角ここに留まらせる?
違う
それは違う気がするのだ。
だってそれは、今までやってうまくいかなかったこと。
下手をすればこれが最後になってしまう。
だったら、恥も外聞も何もない。
私は――――
「まって・・・・待ってくださいッッ!!!」
ガシッッ!!
しがみついた。
去ろうとするマミのその後ろ。
その制服に、縋るようにしがみついた。
急な出来事にマミも驚くが、その先に見た者が彼女の攻撃する気を失せさせる。
さっきまでほむらが立っていた場所に、ソウルジェムが転がっている。
それはさっきまで彼女が持っていたものだ。
ますますわけがわからなくなる。
だが、そんなことよりもほむらの声が脳に残る。
必死な声だからこそ、それはよく澄んで彼女の脳内へと響いていく。
「私のことは信じなくてもいいです・・・でも、だったら私を信じないならその根拠をお願いします!!」
「それは・・・・キュゥべえは私の」
「それはキュゥべえを信じる理由であって、私を疑う理由にはならないはずです!」
「む・・・・」
ややこしいことを言うほむらだが、マミは確かに、と少し納得してしまう。
と、そこでハッとして頭を振る。
そのほむらを引き剥がし、その場を去ろうとする。
「あ」
「もういいわよね。これでこの話は終わりよ」
ギィ、と重い音を立て、屋上の扉が閉じられようとする。
その向こうのマミに向
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