第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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けるので精いっぱいだと思うなー。それでも、今回のみんなの力全部使わないとダメだし。にゃー」
二人の言葉にまどかは一切の反論ができない。
その言葉を持ち合わせない。
むしろその通りだ。
彼女が向かったところで、何もできない。
それどころか、邪魔になるだけだろう。
恐怖に足は竦むし、喉がカラカラだ。
口の中の唾液がいちいち気になり、それを飲みこむのにも肩から力を使う。
そんな状態なのに
普通なら、家に閉じこもって嵐が過ぎるのを待つだろうに
それでも。
たとえ、そうだとしても。
その答え合わせに、まどかはしっかりと答えて見せた。
「友達が・・・・・私の友達が、あそこにいるんです!!!」
胸の前に両手を握って、全身の力を振り絞ってそれを言う。
恐怖が襲い、不安が募って圧し掛かる。
だというのに、この心は、身体は、先に進むことを止めようとしない。
その返答に、二人の男はにやりと笑う。
まるでその答えを、最初から知っていたかのように。
「では行きましょうか」
「だね。ほい、ネコちゃん」
「え?え?」
ポン、と抱えていた猫を渡され、ワタワタとしてしまうまどか。
そして二人の男―――青龍と白虎は、彼女の背中を叩いて先に進む。
「行きましょう・・・・あなたは・・・・見届けたいんでしょう?」
「友達ががんばっているところ。そんな友達が、一人ぼっちにならないように、ね?」
「――――うん!!!」
黒猫を部屋の中に置き、帰って来るからね、と声をかける。
それに応えるかのごとく、黒い子猫は「な〜」と返事をする。
そうして
二人と共に、鹿目まどかは走り出した。
雨が降る、その街の中を。
その姿は魔法少女ではなく
街並みもきれいなものではないが
その行き先は、晴れ渡る空だと信じて
to be continued
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