第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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どうしてそんなに誇らしげに語ることができる!?」
再生して行く腕を抑えながら、キュゥべえが叫ぶ。
そう、確かにこれは呪いだ。
決して光り輝き、先を照らすものではない。
だというのに、それを蒔風は誇らしげに言う。
それは
「それは・・・・それが彼女たちの「生きたい」と叫ぶ声だからだ」
はっきりと
どれよりも生々しく、どんなものよりもおぞましいとされるその「呪い」を見ながら、まるでそれが生きることだと語るように蒔風が語る。
「確かに彼女たちは、この先の人生のすべての幸運を使い果たすような奇跡を願ったのかもしれない。確かに、そんなことをすれば、先に待っているのは絶望だけかもしれない」
「そうだ・・・・彼女たちはそうまでして願った!!僕は叶えた!!そうなれば、あとは自業自得じゃないか!!」
蒔風の言葉に、キュゥべえが乗っかり吐露する。
なぜだと
どうしてだ、と
「その願いを叶えてやったじゃないか。リスクだって話したじゃないか!それを知ってなお、君たちは叶えたいと言ってそのリスクに手を伸ばしたんじゃなかったのか!!それでボクたちが悪いだなんて、そんなことはないだろう!?」
「ああそうだ!!それは彼女たちの因果応報だ。だがお前が犯したミスは、彼女たちのことを考えなかったことだ」
キュゥべえの言葉、蒔風の反論。
そう
生きて、周囲を呪ったのは彼女たちの心の問題だ。
生きるということは、それほどまでに苦痛に満ちた物だ。
それを、蒔風は嫌というほど見て来た。
その苦しさを、自らもその身で経験しもした。
それを踏まえて、彼は語る。
だからこそそれを越えて生きる「命」は素晴らしいモノであり
それを乗り越える「心」もまた、その命のすべてであると。
「お前はそうして絶望に堕ちていく少女たちを利用した。彼女たちは願いを叶えて希望を得た。その希望は彼女たちの物だ。そうであるならば、その先の絶望ですらも、彼女たちの物であることに変わりはない!!」
「ボクたちが叶えてやったと言うのに・・・・・」
「もしそこで貴様がそこまで言うのであればな、インキュベーダー。貴様だけその絶望を知らないのはあまりにも理に合わない」
指を指し、そして断言する。
「その希望も、絶望ですらも!!すべてその人間の命の結果だ!!それを、命の意味を知りもしない貴様が、好きにしていいはずがない!!」
「く・・・そ・・・!!」
蒔風の言葉に憤り、殴りかかってくるキュゥべえ。
ブンッブンッ、と空を切って振られる拳だが、蒔風はそれを半身を返して回避、そして
「フンッ!!」
「ごぶ
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