第五章 Over World
現実はうまくいかないな
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んせん分が悪い。
蒔風はなのはを抱えたまま、最初にいた水が張った大地にまで吹き飛ばされて地面に落ちた。
だが落下の際、なのはを上に向けて彼女の直撃だけは避ける。
結果、彼は水面に銀白の羽根を散らしながら地面を滑って止まった。
「舜君!!」
「大丈夫か・・・なのは・・・・」
「うん・・・でも!!」
「いや、いいんだ・・・・これで」
ぴちょん、と
むき出しの背中でありながら、ヨロヨロと立ち上がる蒔風。
その背後には静かにキュゥべえが降り立ってきていた。
そのキュゥべえは何を言うわけでもなく、その拳にあらん限りのエネルギーを溜めこんでいる。
それに対し、蒔風は背中を大きく痛めてしまい、反撃しようにも無意味であることがわかってしまう。
「ッ!!レイジングハートッ!!」
《OK!!》
が、なのはが反撃に出た。
キュゥべえの身体をバインドで縛り上げ、さらにレイジングハートの先端に砲撃魔法を充填していく。
「私だって、舜君を護ってみせる!!」
「なのは・・・よせ!!」
止める蒔風だが、もう遅い。
発動したのは二重三重のバインドだ。
胴体と四肢、そして首を抑え込んだそのバインドはどれも強力。
しかし、キュゥべえは拳に溜めていたエネルギーを右手首に移し、その部分だけのバインドを破壊した。
そして指先から細い光線を放ち、なのはの右肩、左腰、そして右足首に命中させていく。
「やめろテメェ!!!」
その光線を蒔風が剣で弾き、そこでキュゥべえは攻撃をやめる。
だが、蒔風も立ち上がってではなく膝立ち状態だ。
その間にバインドが弱まり、バキバキとそれを砕くキュゥべえ。
なのはを後ろに回し、庇うように剣を突き出す蒔風。
その瞳から闘志は消え去っていないものの、今のこの状況ではとてもではないが逆転の筋が見えない。
「・・・・見誤ったよ、キュゥべえ。やっぱ現実はうまくいかないな・・・・」
「ふふ・・・契約でもしてみるかい?その現実を押しのけるために、さ」
完全に皮肉だ。
だが、蒔風も当然ここで終わる気は無い。
刺し違えても、この相手は必ず潰す。
(は・・・これじゃ呪い殺した方がまだいい・・・・ん?)
と、そこで蒔風が何かに気付く。
キュゥべえがエネルギーを溜めこんでいる拳。
その拳に溜まるエネルギーは、その圧縮によってもともとの黒い色を再現して行っている。
(呪い・・・・もしかしたら・・・・!!)
蒔風の脳内に、一筋の光明が指す。
そして、肩を震わせて笑い始めた。
「くっ・・・くくく・・・くそ、負け
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