第五章 Over World
現実はうまくいかないな
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が翼を広げたのは、後方のビルに立つなのはを隠すためだ。
ドドドドドドォ!!と連続して命中するそれを耐えきり、再生が済んで、キュゥべえはもはや抑えが利かなくなり始めていた。
「こ・・・の・・・・いつまでもおちょくって・・・・」
「・・・・・」
蒔風となのはに対する怒りのボルテージが、キュゥべえの中で確実に上昇している。
蒔風の狙いは、実はそこにある。
彼の考えていたキュゥべえの撃破計画は、まず最初にその感情・・・心を自覚させるところから始まる。
「心を持たない者であろうとも、そうである物の近くで活動する限り、その者は心と呼べるものを少しずつでも学び得る」
それが蒔風の持論だ。
それは彼の言っていた通り、長門等を見てきて言えることだ。
だとすれば、あれだけの知性を持つキュゥべえならば、それがあってもおかしくはない。
ただ、彼等がそれに目覚めなかったのは
・そのきっかけがなかった(そこまで追い込まれることがなかった)
・「自分にはない」という考え(心は芽生える物であると知らない)
・必要としない(無くても彼らは使命があった)
・それから来る行動を見下す(そもそもの拒絶)
ということがあるからだ。
だが蒔風によって追い込まれ、心はどこからでも芽生えると知らされ、使命を無駄だと知らされたのだ。
それだけの要因を崩されて、キュゥべえは実際にその心に最初こそ苦しんだ。
そしてそれを飲みこみ、それを踏まえて自分の合理を推し進めるために蒔風と戦う。
当然、蒔風の計画の内である。
彼としては、さらにエネルギーを取り出してくることまで計算していた。
だからその半分はアンク復活に使用させてもらった。
仮に映司がいなかったりしても、半分は希望エネルギーだ。
蒔風の翼でコントロールできるだろうと思っていたし、できないまでも翼を犠牲にしてでもそれだけは奪うつもりだった。
少女たちの希望を、そのような破滅の形で利用させるなど、決して許すことはできないのだ。
ともかく、第二段階としてさらに怒らせる。
正直に言って、蒔風は最初からああなったキュゥべえを肉体的に殺せるとは全く考えていなかった。
相手のエネルギーの半分は紀元前どころか7ケタ単位の昔からため込んだ怨念だ。
そのエネルギーを飲みこんだあれを、一瞬は削れたとしても肉体のスペックでその穴を埋めてくるだろう。
再生も、あの力も、すべてわかっていた。
だが、それでも彼が勝てると思ったのは、キュゥべえはまだ心を得て(所有して、と言った方がいいかもしれない)まだ時間が短い、ということだ。
いくら怨念とはいえそのエネルギーの元は心で
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