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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
現実はうまくいかないな
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相手からしたら、ほぼ真上からの襲撃。
蒔風の拳を腕で受け止めるが、腹に蹴りを食らって少し高度が下がる。


と、そこでキュゥべえはようやく気付いた。
蒔風を一緒にいたはずの、あの女がいない。



ドォンッッ!!!

「グァッ!?」


瞬間、後頭部に衝撃が襲い掛かってきた。
重い一撃をそこに食らい、首が少し下がるキュゥべえ。

が、直撃したそこは少し抉れ、プスプスと煙を上げるだけで、すぐに再生してしまった。



「そっちか・・・・」

そうしてキュゥべえが振り返った先のビル。
その屋上に、レイジングハートを構えたなのはが魔法陣を大きく展開させて再び魔力を充填させ始めていた。


「甘いよ・・・人間がそんな遠くから命中させたのは驚きだけど、そんな遠距離で大した威力もないだろう!!」

「甘いのはそっちだ!!」

ドッ!!バキィ!!


半ば感心、半ば嘲りを言い放つキュゥべえに、蒔風のキックがぶち込まれた。

斜め上からのそれをまともに喰らったキュゥべえは、ビルの一つに叩き込まれてしまう。
しかし直後に、蒔風へと向かってそこから飛び出していった。


「あれだけのエネルギーを君も見ただろう!?」

「チッ!!」

「それを取り込んだ僕に、そんな小細工の技が通ると思っているのかい!?」

無論、なのはの砲撃も蒔風のキックもそんな甘いものではない。
とどのつまり、キュゥべえのスペックと、そのエネルギーが信じられないほど大きいだけということ。



追ってくるキュゥべえから再び距離を取る蒔風。
獄炎の小砲撃を連続で放ち、後方のキュゥべえに反撃を試みるも、その砲撃は全てその腕によって弾かれてしまう。


グワッ!!と山なりに上昇して行き、なのはのいるビルの上を通過するように飛行する蒔風。

そしてその高度があがりきったところで、キュゥべえへと向き直り翼を全開にしてエネルギーを溜め始めた。
その蒔風へと一直線に向かい、拳にエネルギーを溜めて殴りかかろうと飛翔するキュゥべえ。

が、なのはによる、ガトリングのような魔法弾の連続発射にその行く手を阻まれて一瞬足が止まった。


「止まる必要もないだろうに、止まるとはまだまだ青いなインキュベーダー!!!」

雷―――

「舜君!今だよ!!」

―――旺

「しまっ」

――――砲!!!


蒔風の放つ雷旺砲。
その威力もタイミングも、まさに申し分ないモノだ。


そう――――だったのだが


「えぇい!!本当に鬱陶しい!!!」

ゴッ、バガゥッ!!



キュゥべえは拳に溜まったそのエネルギーに、さらに上乗せして砲撃を放ってきた。
それは反動だ
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