暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第55話「テロへの抵抗」
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【こっちだよ。】

「わっぷ。埃が...けほっ。」

「レヴィ!あまり動きすぎると我らにも...ぬぅ!?」

「煙たいです...。」

 校舎内にあるダクトの中に、一つと三人の小さな影があった。

「ごめーん王様、シュテるーん!」

「まったく、なぜ我らがこんなコソコソとせねばならん。」

「これが最善手ですから。」

 チヴィットの体で活動するエグザミアに搭載されたAIである、シュテル、レヴィ、ディアーチェが声を潜めながら移動を続ける。
 案内するのは、球体に羽が生えたような機械...白式の意志である“白”だ。

「それよりも、アリーナに近づいているのか?」

【データによるとちゃんと近づいてるよ。でも、直接アリーナに出る訳じゃなくて、近くの通路から出る事になるから、そこは注意してね。】

「バレる可能性も大いにあるという訳ですか。」

 向かう先は人質が囚われているであろうアリーナ。
 襲撃に気づいたシュテル達は、白の誘導の下、こうしてダクトに逃れていたのだ。

「学生寮から校舎に移動する時に見たけど、結構な人数だったよね?」

「生徒や教師を人質にする奴らだ。それなりの人数でないと話にならん。」

「...その分、人質の救出は困難となります。」

 その小ささから、傍目で見れば可愛らしく見えるシュテル達だが、その表情は真剣そのもの。それもそのはず。学園が襲撃されたのだから。
 白もそれを傍観するつもりはなかったため、こうして三人を導いていた。

「通路に出てからはどうするつもりですか?」

「とりあえず、敵に見つからぬよう上空や高台に向かう。奴らも我らより空で優位に立てるとは思えんからな。」

【お姉ちゃん達が協力する意思を見せない今、一番状況に影響を与えれるのは三人だからね。...まぁ、お父さんと関わってきた皆なら、考え次第で協力してくれるけど。】

「とにかく、急ぎましょう。」

 そういって、シュテル達と白はダクト内を急いで進む。
 今ある危機的状況を打破するために。








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