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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
少しは私のこと、頼ってよね
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かせた。

バッ、と起き上がり、その方向を見る蒔風。
桜色の魔力の羽根を少しだけ散らせ、そこには白き魔導師が降り立った。


「なのは!!」

「もう舜君!!おいていくなんてひどいよ!!」


プンプンと怒りながら、手を差し伸べてくるなのは。
膝をついてしまっている蒔風は、フッ、と自嘲気味に笑ってからその手を取って立ち上がる。

「ごめんな」

「わかればい〜の」


そうして、二人が並んでキュゥべえを睨み付ける。

あれが敵?と、なのはが聞く。
それに蒔風が答え、頼む。


「俺一人じゃキツイ。行けると思ったけど、まだ追い込みが必要みたいなんだ――――助けてくれるか?」

「・・・・はぁ、まったく、舜君も私のこと言えないよ?」

ガシャン

「少しは私のこと、頼ってよね!!」

「ああ、だったらそうするさ!!」



少しぎこちなかった2人が、お互いの手を取り合った。



「ありがとう」


小さなその声は、どちらが言ったものだろうか。
どちらが言った言葉にせよ、それは相手に届かない。


しかし、その心は共にある。
二人のその瞳の先に、負けは一切見えていない。




to be continued

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