第五章 Over World
少しは私のこと、頼ってよね
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になる。
そこを蹴りあげてくる脚を、腕を下でクロスして受けた。
が、蹴りは強力で、そのまま蒔風は後方宙返りをさせられながら吹き飛んだ。
バシャシャシャシャシャ!!と足場を覆う水辺の飛沫を上げながら、蒔風が膝立ちになって出発前のことを思い出す。
『戦えると言っても、加速開翼はしちゃいけませんよ!』
「クソ!!」
シャキン!と、両手に「天」「地」をそれぞれ構え、トンファーのように持つ。
気合と共に駆け出し、それと同時にキュゥべえがパンチを放ってきた。
「なぅっ!?とうわ!」
「ふふふ・・・遅いね」
出ようとしたところに突っ込んできたのだ。
蒔風の体勢は当然崩れ、またそこからいいように攻撃されていく。
キュゥべえはその連撃で、蒔風の体勢を整えさせないのだ。
よって、蒔風の防御はギリギリになり、そのせいでまた崩れる。
「ほら!!」
「ゴッ!?」
キュゥべえの拳が、蒔風の横っ面を殴りつける。
上半身をそのまま持って行かれ、上体のぐらつく蒔風の腹に、更に鋭い蹴り上げがブチ込まれた。
カシャァ、という軽い音がして、蒔風の手から「天」「地」が離れて落ちていく。
少し浮きあがる蒔風の体。
一瞬で背後に回ったキュゥべえは手を組み、ハンマーのようにしてその背中に叩きつけた。
バッドンッッッ!!
一瞬だけ水しぶきの音がして、直後に爆発のような衝撃が地面を走る。
獅子天麟を背中に現出させたことで直撃は免れるが、あまりの衝撃に頭を振って気付け治す蒔風。
四つん這いになりながらも、肩越しに背後のキュゥべえを睨みつけ、そのまま後ろ蹴りで反撃して行った。
その一撃は命中し、さらにミドルの右回し蹴り、その足で続いて踵落とし、腰に「火」をだし、抜刀からの一閃でその胸元を斬り裂いた。
だがその刃は両手で挟むようにガッチリと挟まれており、更には指まで組んで逃げられなくされていた。
「こっちだよ!!」
「あァ!?コイツッ!?」
その刃をキュゥべえが左に引き寄せ、そしてグリッと一気に右側に持ってきた。
「おわっ!?」
元々崩れていたというのに、更に体勢を崩され蒔風が地面に倒れる。
「貰ったよ!」
仰向けに倒れたその蒔風の両上腕を膝で押さえつけ、キュゥべえが大仰に拳を振りかぶった。
このままいけば、顔面に拳がブチ込まれる。
そうなれば、後ろは地面だ。
逃げ場のない状況で、蒔風の頭は果実のように潰れてしまう―――――
その瞬間!!
「バスタァー!!」
「な―――クッ!!」
桜色の砲撃が、キュゥべえを退
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